8月は歯の病気について5回に渡って取りあげてきましたが、今回で最終回。
そこで、歯に関する様々な疑問・質問にまとめてお答えしました。
名古屋市南区にある榊原デンタルクリニックの医院長・榊原功二先生に、丹野みどりがお話を伺いました。
なお、これまで取りあげてきた4回分の記事も載せていますので、そちらもご覧ください。
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第1回:必読!こどもの歯が折れたらやっておくべきこと
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第2回:長期の旅行前、歯科に行っておこう!
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第3回:ご長寿ニッポンが避けて通れない"入れ歯"の話
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第4回:健康長寿は歯の健康から。いつからでも始められる「予防歯科」
親知らずを放置しても大丈夫?
最初の質問は「親知らずは放っておいても良い?」
治療しなくても良い場合もありますが、基本的に上手に生えない人の方が多く、生え方によっては歯茎や手前の歯に悪影響を与えたり、虫歯になりやすくなったりします。
親知らずにうまく歯ブラシが届かないことや、唾液が流れていかないことで、虫歯ができやすくなります。
もし、親知らずが出てきて違和感を覚える場合は、歯医者さんがどんな生え方をしているか調べた上で、抜歯が必要かどうか判断しますので、相談してみましょう。
次の質問は「虫歯を治療した後の歯や、義歯も虫歯になる?」
作り物であればもちろん虫歯にはなりませんが、汚れはしっかり落としてください。
一部だけ自前の歯を残して詰め物をした場所や、歯と詰め物の間の場所が虫歯になる場合がありますし、もちろん治した所とは別の部位から虫歯になることもありますので、治療したからといって安心はできません。十分、注意が必要です。
そのクセが病気の原因にもなる?
「噛む時に気をつけた方が良いことはあるか?」
歯の生え方や口・あごの形などは左右が完全対称ではないため、どちらかに噛むことが偏る場合があります。
意識的にバランスよく噛むのを心がけるのは難しいのですが、位置の悪い歯があることで噛む場所が偏る場合があるため、均等に噛んでいるか、歯医者さんに調べてもらうことができます。
「家族の歯ぎしりがひどい時、歯科に連れて行くべきでしょうか」
こどもの場合は、歯が生えたことによって今まで無かった物があるという違和感で邪魔だという感覚になって、歯をすり減らそうとする生理的な欲求が原因のため、ほとんど心配しなくて良いものです。
大人のヒドイ歯ぎしりは、ストレスだけでなく、親知らずや詰め物などにより、噛み合わせの位置がずれることが原因となる場合もあります。
金属などが入るとバランスが崩れて、歯ぎしりが増える場合があるので、診てもらうべきとのことです。
あのイヤ~な感覚はナゼ起こる?
「歯がしみる、血が出るのは何かの病気?」
本来染みてはいけない物が染みるということは、何らかの病変があるということで、虫歯だけではなく、知覚過敏のケースもあります。
歯と歯茎の境目に物が当たると痛くなるのですが、最近は治療が可能です。
「基本的に日常と違うことが起きたら、我慢せずに病院に行くこと」と、榊原先生は語りました。
次は、治療とは関係なく気になる質問です。
「アルミホイルを噛んだら、どうして染みるの?」
アルミ箔を噛むと、何だか嫌な感覚に襲われたことはありませんか。
これは、金属とアルミ箔との電位差により、唾液を介してガルバ二―電流が発生するためで、金属の詰め物・被せがある方だけに発生します。
口内炎が歯科で治せることも
次の質問は、歯医者さんが苦手な人にありがちかもしれません。「歯科の予約を忘れてしまい、次の予約が何となく取りにくいのですが……」
予約していたことを忘れた場合や急用でドタキャンした場合でも、榊原先生は「連絡してあげてください。そんなことで怒る医者はいませんから」と答えました。ちょっと、安心しました。
最後の質問、「口内炎は、歯医者で治療できますか?」
治療法としては、レーザーや塗り薬などであり、できやすい体質という方もいらっしゃるかもしれません。
一度できるとなかなか治らないことが多いですが、毎回同じ場所に口内炎ができるという場合は、特定の歯がとがっているなど、何か原因があるかもしれません。
歯医者さんが原因を探ることや、痛みを軽減する治療もできますので、のぞいてみてくださいとのことでした。
(岡本)