歌と音楽には不思議な力
高齢社会における社会参加に音楽の力が見直されている現在、日本音楽健康協会が設立された意義はどういうところにあるのでしょうか?戸塚さんは語ります。
「歌と音楽には不思議な力があるんです。心と身体の健康維持に非常に大きな効果がある。何よりも楽しくて身近にあるんだということでしょうね、皆さんが続けられる、こんなことで社会貢献できればという理念を持っておこなっています」
具体的な活動としては、音楽の楽しさを広める専門職の要請もしてらっしゃる戸塚さん。
「人材育成という形で音楽健康指導士という資格を世の中に広めています。現在約5千人ほどですが、歌や音楽を活用して健康維持や介護予防に役立つ知識、そして技術を習得してもらう、そんな人たちを育成していこうというのが第一義です。
それに加え、歌や音楽がもたらす効果をいろんな大学や企業さんと研究しており、その成果を社会に広めていきたいと思っています」
受け手から担い手に
「また高齢者のとじこもり、ひきこもりという問題をなくして、社会参加を促すための活動として、特に地域サポーターという音楽健康指導士のうち簡単な資格があるんですが、これを取得して活躍できる、そんな環境を提供していただきたいと考えております」
最近、高齢者の社会参加を促そうと、この音楽健康指導士の簡単な資格を取得させ、受け手から担い手に変わる、まさに『市民音健士』という形で地域社会に参加させる仕組み作りを考えている市町村が数多くあるという戸塚さん。
「具体的には歌に合わせた運動機能の改善ですね。
体操だけ、機能訓練だけやろうとしますと、どうしても楽しくないという負荷がかかります。
やはり複数の人で、みんなでやりましょうと。そこに音楽や歌を交えること、これによって楽しい機能改善ができてくるということですね」