健康ライブラリー

超高齢社会へのカギは、音楽の力と多職種連携

身近な医療について専門家の意見を伺う『健康ライブラリー』の「教えて!ドクター」のコーナー。
12月は「健康と音楽」について、一般社団法人日本音楽健康協会の戸塚圭介理事長にお話を伺ってきました。
聞き手はCBC論説室の後藤克幸特別解説委員です。

今回は音楽の力による介護予防への取り組みが、全国の自治体にも広がっていることについて伺いました。

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音楽健康指導士の活躍の場

「音楽健康指導士」が活躍している場は、介護施設での活躍、それと各市町村からの依頼による介護予防教室の講師、大きく分けてこのふたつになります。

このうち後者は、昨年度だけでも、各自治体から要望を受けた介護予防教室の数が3,200ほどあります。

介護予防教室のプログラムは、介護施設とは違って元気な高齢者が多く、健康に対する高いニーズを持っている方たちも多いです。まさに厚生労働省が提唱している運動、口腔、認知それぞれに合った予防プログラムを提供しているということです。

介護予防教室の一例

ひとつにはスポーツボイスというものがあります。ひと言で言うと歌の練習みたいに見えてしまうのですが、実は運動機能、口腔機能の改善を考えたもので、コミュニティを作り、社会参加を促すためのツールでもあります。

スクワット的な形をとりながら、声を出すと同時にいくつかの動作を重ねていくため手足も使います。歌を歌いながらですので、ハードな運動になると思います。

長野県松本市では積極的に取り組んでおられますが、平均年齢が72、3歳の男性を中心にやっています。
時間としては1時間くらいでしょうか、終わるともう汗だくですね。

スポーツボイスひとつとっても、介護予防以上に機能訓練的なところに重きを置いてプログラムを作っていますが、やはり慣れ親しんだ曲を一緒に歌うことで、過去を想起することから楽しさを感じるんだと思います。

さまざまな企業が連携

日本音楽健康協会としては、民間と行政をつなぐ役割になることを目標としたいと考えています。

実は当協会にはNTT(東日本電信電話株式会社、西日本電信電話株式会社)、セコム株式会社なども入っております。

安心安全を提供しながら、またNTTのプラットフォームをうまく活用しながら、多職種連携によって、各自治体が抱えている超高齢者社会の課題を解決するための橋渡しをしていきたいと考えております。
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2019年12月29日06時05分~抜粋

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