健康ライブラリー

30年前に食べたカレーを思い出す!?音楽の力が認知症に効果

身近な医療について専門家の意見を伺う『健康ライブラリー』の「教えて!ドクター」のコーナー。
12月は「健康と音楽」について、一般社団法人日本音楽健康協会の戸塚圭介理事長にお話を伺っています。
聞き手はCBC論説室の後藤克幸特別解説委員です。

まずは前回、高齢者の社会参加の担い手として触れた「音楽健康指導士」について伺います。

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キーワードは「笑顔」と「楽しさ」

「音楽健康指導士」という資格は、現在介護のお仕事をされている方たちが施設内におけるレクリエーションなどで、楽しくご利用者に提供できる資格だと思っていますので、介護士さんが非常に多く取得されています。

「音符が読めない、楽器が弾けないとこの資格は取りにくいんですか?」と聞かれるんですが、まったくそんなことはなく、音楽や歌を利用したレクリエーションを勉強するものですから、そうした技能は必要なく短い時間で取ることができます。

男性でも音楽なら効果が

レクリエーションの様子を見ておりますと、どちらかと言えば、女性の方がコミュニティを作りやすい一方で、男性の方はどうしても閉じこもってしまうケースが多いんです。
なかなか仲間に入ってこれないところがあるんですね。

でも歌や音楽の力を使いますと、最初は敬遠がちな方でも二回目、三回目となるにつれて、非常に笑顔も増えてコミュニティを作りやすくなってくるという効果があります。

音楽で回想法

青春時代の懐かしい曲を聴くことによって、一気にフラッシュバックをさせて過去を想起して、そして現在に戻していくことをということを「回想法」と言います。

認知症の方ですと、昨日食べた食事は忘れてしまうものですが、実は30年前にどこどこであの曲を聴いて、あの時に食べたカレーが美味しかったとか、そういうことを記憶に残しているものです。
この「回想法」は認知症にとって非常に効果的だと言われています。

こうしたことに取り組む「音楽健康指導士」は全国に5千人ほどいて、各地に広まりつつあり、いろんなところで活躍されています。
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2019年12月22日06時05分~抜粋

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