毎週金曜日の「大人のたしなみ講座」では、パーソナリティの丹野みどりが、知っておくとためになる大人のたしなみを専門家の方に学びます。
数回にわたりウイスキーの特集をお送りしてきましたが、今回が最終回です。
過去の記事
「ウイスキーは偶然生まれた!その歴史を学ぶ」、
「意外とわかりやすい!ウイスキーの分類」、
「知っておきたいウイスキーの飲み方・合わせ方」も掲載していますので、あわせてご覧ください。
ウイスキー文化研究所認定講師で、ウイスキープロフェッショナルの山本久理子先生に伺いました。
ウイスキーに合うのはアノ和菓子!?
まず丹野が「(前回の放送で)ウイスキーは基本的に食事の後に頂くと聞きましたが、ウイスキーに合うおつまみは、どんなものがあるのでしょうか」と山本先生に尋ねました。
山本先生は、甘い物と相性が合うのではないかと考えられており、その理由は、ウイスキーが持っている香りそのものが甘いためで、果物やミントなどの植物、はちみつのような香りで構成されています。
さらに元々の原料となる穀物がナッツに近い香りだったり、製造工程で甘酸っぱい香りが出たりすることもあるため、チョコレートやドライフルーツ、フレッシュフルーツなどが合うのではないかということです。
また、蒸留所で海に近い所なら、樽の中で磯の香りを吸い込むので、日本のお菓子だと塩気のあるえびせんや塩大福、塩ようかんなどが合いそうとのことです。
和菓子とウイスキーは、全く考えたこともなかった組み合わせですね。
ウイスキーの香りはどうやって付く?
ここで1つ、丹野から疑問が出ました。
「磯の香りを吸い込むので塩っぽい香りがするのはわかりますが、なぜフルーツや花などの香りがするのでしょうか?」
別に果実酒のように、直接果物を混ぜるわけではありませんし、近くに果樹園やお花畑がある訳でもありません。
山本先生は「ウイスキーの風味は樽から5~7割出てくると言われますが、樽の中で酸化熟成が進むと、花やフルーツのような香りが付きます」
ただし、なぜそのような香りが付くのかは、研究は進んでいるものの、まだ不明なのだそうです。
また、樽の寿命はだいたい100年だそうですが、繰り返し使っていくうちに、香りが変わっていくこともあるそうです。
蒸留所の環境や樽の状態などにより、ウイスキーの香りにバリエーションが出てくるということで、やはり奥が深いですね……。
ウイスキーの楽しみ方
さらに山本先生に、ウイスキーの楽しみについて伺いました。
ウイスキーは複雑な風味を持ち、長年の歳月を経て作られる飲み物ですので、一気飲みはせず、ゆっくりと味わって欲しいとのことです。
また、初心者の方には難しく感じるかもしれませんが、ウイスキーを知れば知るほど香りに魅了されるものです。
樽により風味が変わるので、慣れてくると香りで樽の種類などがわかるようになってきて、楽しくなるのではないかとのことです。
バーでのマナーを確認
最後に、ウイスキーをたしなむために行くバーで、気を付けるべきマナーについて伺いました。
まず、バーには悲喜こもごも、さまざまな思いで来られている方がいるので、あまり大きな声で話さないということ。
次に、ウイスキーの香りの邪魔になるため、香水を付けすぎないことと、タバコを吸う場合に気を付けること。
バーによってはバーテンダー1人で切り盛りしているため、あまり独占しないこと。
そして最後は、水以外の物もオーダーしてあげてくださいとのことでした。
この4回のお話で、以前よりもウイスキーを少し身近に感じることができるようになりました。
(岡本)