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11月18日金曜日 スイーツ塩見のあま~いお話

スイーツ塩見のあま~いお話
お菓子作りを趣味とする塩見啓一アナウンサーの
スイーツうんちくコーナーです。

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今週のスイーツ「ショートケーキ」

クリームでコーティングしたスポンジケーキに生苺をのせたショートケーキは、実は日本で誕生したもの。
日本式ショートケーキの誕生には諸説あり、その生みの親は日本初の本格的なフランス菓子店コロンバンの創業者である門倉国輝という説と、ペコちゃんでおなじみの不二家の創業者・藤井林右衛門(ふじい・りんえもん)だという説が有力だといわれている。

コロンバンは、菓子製造視察研究のために渡仏した門倉国輝が1924(大正13)年に東京・大森で創業。1931(昭和6)年には銀座に本店を開店し、サロンを併設した近代的な店は当時話題となった。明確な記録は残っていないものの、ショートケーキは創業時からコロンバンの店頭にすでに並んでいたといわれている。
当時のフランス菓子は「ビスキュイ・ジョコンド」と呼ばれるしっかりめの生地と、こってりとしたクリームを使ったケーキが多く、日本人の口にはなかなか合わなかった様子。そこで、門倉はすでに日本人になじみのあるカステラのようなやわらかい生地に、従来のバタークリームやカスタードクリームなどと比べてしつこくない生クリームを合わせてケーキを作ろうとした。

かたや不二家は、藤井林右衛門が1910年(明治43年)に横浜・元町で創業。横浜というハイカラな場所もあってか、創業時からクリスマスケーキを販売していたという。創業まもなくして、1912(大正元)年に林右衛門は洋菓子市場の視察のために渡米。その際にアメリカのショートケーキを目にしたことがショートケーキづくりのきっかけだった。それから10年後、1922(大正11)年にショートケーキを発売したとの記録が残っている。そして、その翌年には、銀座に店を構えて東京進出を果たした。アメリカの伝統的なショートケーキの生地はビスケットを使用していてザクザクとした食感。林右衛門は和菓子のようにしっとりとしてやわらかい食感の方が日本人の好みだろうと考え、カステラのようなふんわりとしたスポンジ生地にしたといわれてる。

ほぼ時を同じくしてショートケーキづくりに取り組んだ西洋菓子のパイオニアたち。「洋菓子を日本で広めたい」という思いから行き着いた先は、偶然にも同じ発想から生まれたショートケーキだった。

一方で、ショートケーキの象徴的存在でもあるイチゴの扱いは両店それぞれ。
不二家では、発売当初のイチゴの有無は定かではないものの、クリームをフルーツの果汁やチョコで味つけをしたり、フルーツやシロップづけの果実を使ったりと多様なアレンジがされていたという記録が残っている。
コロンバンでは、夏場にイチゴが獲れない時代はマスカットや缶詰の黄桃などで代用していたが、当初からショートケーキにはイチゴを載せていたという。
こうして日本独自の形となったショートケーキですが、すぐに“国民的ケーキ”になれたというわけではない。
当時はお店に冷蔵ショーケースがあることも珍しかった時代だけに、お店に並ぶケーキも品質保存に適したバタークリームのケーキが主流だった。
しかし昭和30年代に入り、冷蔵技術の進歩と高度経済成長とともに冷蔵庫が一般家庭に普及するようになると、状況は一変。生クリームケーキの保存が容易になり、そのおいしさも手伝ってショートケーキは“国民的ケーキ”の座を勝ち取った。


さあ~それでは今週も作ってまいりました!!
スイーツ塩見手作りの「ショートケーキ」です。ど~ぞ

(このコーナーでは、毎週、紹介するスイーツをスイーツ塩見が手作りします!)


         byスイーツ塩見


 
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