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10月7日金曜日 スイーツ塩見のあま~いお話

スイーツ塩見のあま~いお話
お菓子作りを趣味とする塩見啓一アナウンサーの
スイーツうんちくコーナーです。

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今週のスイーツ「スフレチーズケーキ」

「スフレ」とはフランス語で「ふくらんだ」という意味。卵白を泡立てて作ったメレンゲを様々な材料と合わせて膨らませるスフレはフランス料理。
ただし、スフレチーズケーキはフランスにはない。チーズケーキ好きのアメリカにもない。スフレチーズケーキは、外国では「ジャパニーズスタイルチーズケーキ」と呼んでいる。つまり、日本発祥のお菓子なので、これは洋菓子では無く和菓子である。

1903年から1913年に明治期の新聞に掲載されていた小説『食道楽』のなかには、チーズの食べ方として「ソフレー」が登場する。この「ソフレー」は、現在のスフレチーズケーキに近いものだったという。
ちなみに明治初期には、すでに牛乳やバターを食べる習慣はあった。一方で発酵させ、独特の風味があるチーズはあまり好まれなかったようで、「ソフレー」にも抵抗があったようだ。
1926年(大正15年)には『趣味と実用の西洋料理』という西洋料理のレシピを紹介した本のなかで、1927年(大正16年)には『欧米の菓子と料理』という本のなかでチーズケーキが紹介されている。『趣味と実用の西洋料理』のなかではチーズ料理を紹介する項目に「チーズスフレー」のレシピが紹介されている。材料の中に胡椒があったが、その他のレシピは現在のスフレチーズケーキとほぼ変わらない。
ここで疑問が生じる。なんで日本発祥のスフレチーズケーキが戦前の西洋料理の本で紹介されたのか。あくまで推測だが、当時の日本にはオーブンが普及していなかったからではないか。スフレチーズケーキはオーブンを使うが、基本は蒸し焼きである。蒸し焼きなら鍋でも出来るが、出来上がりはベイクドチーズケーキとは程遠い。
さて、第1次チーズケーキブームの主役はレアやベイクドだったが、1989年からの第2次チーズケーキブームの主役はスフレチーズケーキである。80年代は大手菓子メーカーがチーズケーキ専門店を作り、チーズケーキは大衆化していった。
スフレチーズケーキは他のタイプよりも原材料コストが安くなるので、大衆化ともマッチしたのである。

スイーツの流行を知ると、日本の現代史とも深くかかわっているのが良くわかる。
ちなみに、私にとってレアやベイクドチーズケーキは簡単に作れたが、どうしても上手く出来なかったケーキでもある。


さあ~それでは今週も作ってまいりました!!
スイーツ塩見手作りの「スフレチーズケーキ」です。ど~ぞ

(このコーナーでは、毎週、紹介するスイーツをスイーツ塩見が手作りします!)


         byスイーツ塩見


 
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