健康ライブラリー

「生涯現役」を目指す社会づくりに必要なものとは?

2019年12月05日(木)

ライフ・ヘルスケア

身近な医療について専門家の意見を伺う『健康ライブラリー』の「教えて!ドクター」のコーナー。

今月は「健康と音楽」について、一般社団法人日本音楽健康協会の戸塚圭介理事長にお話を伺います。
聞き手はCBC論説室の後藤克幸特別解説委員です。

PPKとNNK

日本音楽健康協会が取り組んでいる健康増進事業、その前提となるのは日本がいま直面している課題があるように思われますが…

戸塚さん「厚生労働省が言うように、健康長寿ということが重要ですね。理想の形としては、言葉としてはよくないですが"PPK"(ピンピンコロリ;病気に苦しむことなく、元気に長生きし、最後は寝付かずにコロリと死ぬこと、または、そのように死のうという標語)という言い方もしますが、しかしその"PPK"をできる人がいるかというとあまりいなくて、"NNK"(ネンネンコロリ;長生きで寝たきりで最期を迎えること)という方が非常に多いんですが」

健康寿命ということを考えると、やりがいを持っているということが大きいんでしょうか?

戸塚さん「そうだと思いますね。生涯現役であることが非常に大事だと思います。
徳川家康を例に出して言うんですが、戦国時代というのは人生四十年時代と言われたんですが、家康は75歳まで生きたんです。(亡くなる)1年前には大阪の陣に出陣している。まさにこれこそピンピンコロリ、生涯現役だと思うんですね」

「通いの場」の必要性

生涯現役を目指す社会づくりが求められていますよね?

戸塚さん「そうですね。健康寿命と同じように『社会参加寿命』という言い方をしてるんですが、何かできることを自分で見つける、また行政が見つけることが重要かと思います。

行政が取り組んでいることのひとつに"認知症の不安"ということがあり、6月には『認知症施策推進大綱』がまとめられました。その中で『通いの場』というキーワードがあります。こうした場がなかなかないんですよね」

「通いの場」とは高齢者らが気軽に顔を出せる身近な場所のこと。
まさにこうした場を作ることこそ、戸塚さんが取り組んでいることです。

戸塚さん「日本音楽健康協会の名の通り、歌や音楽の力ですね。発起人である株式会社第一興商さんが展開しているカラオケボックス『ビッグエコー』や、最近はドラッグストアなどが『通いの場』になっていくと思っています」

楽しく社会へ参加することが大事です。

戸塚さん「社会参加が最大の介護要望という中で、理学的・作業的なことで健康になるということよりも、好きなこと、楽しいことをしているうち、知らないうちに健康になっていく。こんなことが理想と思っています」
 
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2019年12月01日06時05分~抜粋
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