丹野みどりのよりどりっ!

飲み干したくなる!「春野菜のおひたし」

2018年04月21日(土)

グルメ

木曜日の「オトナのいろどりっ!」は、関富子先生のお料理レシピ。
毎月のテーマに沿ったレシピを1品ずつご紹介いたします。

4月のテーマは「旬を味わう!基礎料理」。
今回は、「春野菜のおひたし」です。

“ひたす”から「おひたし」

「おひたし……!」

感無量な面持ちで呟く丹野みどり。
今月教わっている、基礎料理。
1週目は、ごはん。
2週目は、汁物。
ときたら、ほしくなるのは、主菜となる「おひたし」ですよね。

おひたしと言えば、ほうれん草や小松菜。
最近は豆苗などもありますね。

今回は使うのは?
春野菜「菜ばな」です。

ここで丹野が素朴な疑問を口にします。

「『菜ばな』もあれば、『菜の花』もありますよね?」

この違いは何でしょうか?

関先生によると、「菜ばな」は、おひたし用に作っているお野菜。
菜の花は、放っておくとお花になってしまうとか。

このような多少の違いはありますが、どちらもおひたしに使ってOK。
とくに菜ばなは三重が特産なので、割合リーズナブルに手に入るでしょう。
ということで、今回は菜ばなを使ったおひたしです。

さて、おひたし、というと、
野菜を湯がく、絞る、皿に盛る、醤油とかつお節をかける
こんな作り方をしている人、いませんか?

「そういうときもあるし、絞ったあと、ボウルにあけて下味つけて混ぜるときも」
さらりと答える丹野みどりに、拍手を送る関先生。

「『おひたし』というのは、野菜に"ひたす"から、『おひたし』なの」

つまり、浸し汁が、おひたしのおいしさを握る鍵。
本当の「おひたし」を作るために、しっかりとした「出汁割り醤油」を作りましょう!

じつは難しい「茹で方」

まず、肝心な「お出汁」の作り方です。
沸騰したお湯の中に、かつお節を入れます。
前回のお吸物は削り節、でしたが、今回使うのは、かつお節。
ここは、ちょっとしたこだわりポイント。
かつお節は、削り節より味が"やさしい"のです。
くつくつ2分で、漉しましょう。

ここに入れるのは淡口醤油。
1カップの出汁に対して、大さじ2杯で十分。
大さじ1半でも良いくらいです。
入れるお醤油の量は、浸すお野菜によって濃さを変えましょう。

出汁割り醤油ができたと、ここで安心してはいけません。
浸し汁はしっかり冷ましましょう。
あとで野菜を浸したときに、加熱されて青物の葉の色が悪くなってしまいます。

浸し汁の準備ができたら、いよいよ浸すお野菜を茹でましょう。

「茹で方が、ハードルが高いと思うの」

それは、どうして?関先生。

「だって、葉っぱって、軸と葉があるじゃない。一緒くたにドボンと浸けると、どうしても煮え足が違うのね」

たしかに、茎に火が通るころには、葉っぱはくたくたに茹だって、食感が悪くなるという失敗はありがちです。

そこで先生の秘策はこちら。
葉の部分を箸でつまんで、茎の方を先に塩茹でします。
20~30秒、熱湯につけたらパッと離して、サーッサーッサーッザバッと揚げます。
揚げた後はもちろん、お水をかけたり、氷水につけたり、色止めしましょう。

しっかり冷えたら、いよいよ浸し汁につけますが、この「浸す」作業にも、コツがあります。
それは、お野菜を長いまま浸すこと。
あらかじめ一口大に切ってから浸けてはいけません。
なぜなら、表面積が増えてしまい、味が濃く染み込み過ぎてしまうから。

「先生、これね、見過ごしがちだけど、本当にそう」

丹野みどりの声に実感がこもります。

棒状のまま、最低30分浸したところで、ざっくざっくざっくと切り、汁ごと器に盛り付けましょう。
浸し汁をおいしく作ったので、絞る必要はありません。
盛りつけた上に、さらに汁を注ぎましょう。
あとは、ゴマにしようか、かつお節にしようか、刻み海苔にしようか、お好みで振りかけて下さい。

おいしく魅せる3つのポイント

「色もきれいですねー」

春野菜は、やはり色目を大事にしたいですね。
包み込む出汁醤油の色が、黒っぽいと、重い感じがして、軽やかさがなくなってしまいます。
このやさしい色合いを出すために、淡口醤油を使って、出汁醤油を冷やして、野菜を色止めする。
ちょっとした気遣いですが、これだけでぐんとおいしく見えます。

肝心のお味は。

「良い音が聞こえてきちゃった!」
嬉しそうに言う関先生。
丹野みどりが食べるたびにシャキシャキと心地よい音が響きます。

「このお出汁を、私は、飲み干したいです」

びちゃびちゃに、びしょびしょに浸しながら食べたい、と丹野みどり。
食感にこだわった歯応えがいっそうおいしさを引き出します。
潤いをもった食べ応えのある一品。
ただの箸休めでは、もったいない。
もうこれは、立派なおかずです。

時間がないときに、端折ることは仕方なし。
ですが、「これが、おひたしよ」と、胸を張って出してほしい。
関先生の願いとともに、このレシピに挑戦してみては?

材料とレシピ

【 材料 】
・なばな 1袋
・塩
だし割り醤油・だし汁 1カップ
      ・淡口醤油 大さじ2~
*だし汁・水 1  1/2カップ
    ・かつお節 10g
お好みで…・いりゴマ
     ・かつお節
      ・きざみのり

【 作り方 】
①まず「だし割り醤油」を作る。水1と1/2カップが煮立ったら、かつお節10gを入れ2分ほど加熱してこす。出来た濃い目のかつおのだし汁と淡口醤油大さじ2杯を合わせ、冷ましておく。 
②野菜(今回は『なばな』1袋)を、きれいに洗い向きを揃える。たっぷりの沸騰したお湯に塩を入れて、茎の部分を20秒くらい茹る。その後葉の部分も入れてザックリまぜ、冷水につけその後流水にさらし、熱が取れたらザルにあげて向きを揃えて絞る。
③これを"切らず"にだし割り醤油ににひたし、30分ほどひたす。
④汁気を軽く絞り、食べやすい大きさに切り、器に盛る。ひたし汁を注ぎ、いりゴマ・かつお節・きざみのりなどお好みでかけて完成!!
(榊原)
丹野みどりのよりどりっ!
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2018年04月19日16時33分~抜粋
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