丹野みどりのよりどりっ!

飲み干したくなる!「春野菜のおひたし」

木曜日の「オトナのいろどりっ!」は、関富子先生のお料理レシピ。
毎月のテーマに沿ったレシピを1品ずつご紹介いたします。

4月のテーマは「旬を味わう!基礎料理」。
今回は、「春野菜のおひたし」です。

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“ひたす”から「おひたし」

「おひたし……!」

感無量な面持ちで呟く丹野みどり。
今月教わっている、基礎料理。
1週目は、ごはん。
2週目は、汁物。
ときたら、ほしくなるのは、主菜となる「おひたし」ですよね。

おひたしと言えば、ほうれん草や小松菜。
最近は豆苗などもありますね。

今回は使うのは?
春野菜「菜ばな」です。

ここで丹野が素朴な疑問を口にします。

「『菜ばな』もあれば、『菜の花』もありますよね?」

この違いは何でしょうか?

関先生によると、「菜ばな」は、おひたし用に作っているお野菜。
菜の花は、放っておくとお花になってしまうとか。

このような多少の違いはありますが、どちらもおひたしに使ってOK。
とくに菜ばなは三重が特産なので、割合リーズナブルに手に入るでしょう。
ということで、今回は菜ばなを使ったおひたしです。

さて、おひたし、というと、
野菜を湯がく、絞る、皿に盛る、醤油とかつお節をかける
こんな作り方をしている人、いませんか?

「そういうときもあるし、絞ったあと、ボウルにあけて下味つけて混ぜるときも」
さらりと答える丹野みどりに、拍手を送る関先生。

「『おひたし』というのは、野菜に“ひたす”から、『おひたし』なの」

つまり、浸し汁が、おひたしのおいしさを握る鍵。
本当の「おひたし」を作るために、しっかりとした「出汁割り醤油」を作りましょう!

じつは難しい「茹で方」

まず、肝心な「お出汁」の作り方です。
沸騰したお湯の中に、かつお節を入れます。
前回のお吸物は削り節、でしたが、今回使うのは、かつお節。
ここは、ちょっとしたこだわりポイント。
かつお節は、削り節より味が“やさしい”のです。
くつくつ2分で、漉しましょう。

ここに入れるのは淡口醤油。
1カップの出汁に対して、大さじ2杯で十分。
大さじ1半でも良いくらいです。
入れるお醤油の量は、浸すお野菜によって濃さを変えましょう。

出汁割り醤油ができたと、ここで安心してはいけません。
浸し汁はしっかり冷ましましょう。
あとで野菜を浸したときに、加熱されて青物の葉の色が悪くなってしまいます。

浸し汁の準備ができたら、いよいよ浸すお野菜を茹でましょう。

「茹で方が、ハードルが高いと思うの」

それは、どうして?関先生。

「だって、葉っぱって、軸と葉があるじゃない。一緒くたにドボンと浸けると、どうしても煮え足が違うのね」

たしかに、茎に火が通るころには、葉っぱはくたくたに茹だって、食感が悪くなるという失敗はありがちです。

そこで先生の秘策はこちら。
葉の部分を箸でつまんで、茎の方を先に塩茹でします。
20~30秒、熱湯につけたらパッと離して、サーッサーッサーッザバッと揚げます。
揚げた後はもちろん、お水をかけたり、氷水につけたり、色止めしましょう。

しっかり冷えたら、いよいよ浸し汁につけますが、この「浸す」作業にも、コツがあります。
それは、お野菜を長いまま浸すこと。
あらかじめ一口大に切ってから浸けてはいけません。
なぜなら、表面積が増えてしまい、味が濃く染み込み過ぎてしまうから。

「先生、これね、見過ごしがちだけど、本当にそう」

丹野みどりの声に実感がこもります。

棒状のまま、最低30分浸したところで、ざっくざっくざっくと切り、汁ごと器に盛り付けましょう。
浸し汁をおいしく作ったので、絞る必要はありません。
盛りつけた上に、さらに汁を注ぎましょう。
あとは、ゴマにしようか、かつお節にしようか、刻み海苔にしようか、お好みで振りかけて下さい。

おいしく魅せる3つのポイント

「色もきれいですねー」

春野菜は、やはり色目を大事にしたいですね。
包み込む出汁醤油の色が、黒っぽいと、重い感じがして、軽やかさがなくなってしまいます。
このやさしい色合いを出すために、淡口醤油を使って、出汁醤油を冷やして、野菜を色止めする。
ちょっとした気遣いですが、これだけでぐんとおいしく見えます。

肝心のお味は。

「良い音が聞こえてきちゃった!」
嬉しそうに言う関先生。
丹野みどりが食べるたびにシャキシャキと心地よい音が響きます。

「このお出汁を、私は、飲み干したいです」

びちゃびちゃに、びしょびしょに浸しながら食べたい、と丹野みどり。
食感にこだわった歯応えがいっそうおいしさを引き出します。
潤いをもった食べ応えのある一品。
ただの箸休めでは、もったいない。
もうこれは、立派なおかずです。

時間がないときに、端折ることは仕方なし。
ですが、「これが、おひたしよ」と、胸を張って出してほしい。
関先生の願いとともに、このレシピに挑戦してみては?

材料とレシピ

【 材料 】
・なばな 1袋
・塩
だし割り醤油・だし汁 1カップ
      ・淡口醤油 大さじ2~
*だし汁・水 1  1/2カップ
    ・かつお節 10g
お好みで…・いりゴマ
     ・かつお節
      ・きざみのり

【 作り方 】
①まず「だし割り醤油」を作る。水1と1/2カップが煮立ったら、かつお節10gを入れ2分ほど加熱してこす。出来た濃い目のかつおのだし汁と淡口醤油大さじ2杯を合わせ、冷ましておく。 
②野菜(今回は『なばな』1袋)を、きれいに洗い向きを揃える。たっぷりの沸騰したお湯に塩を入れて、茎の部分を20秒くらい茹る。その後葉の部分も入れてザックリまぜ、冷水につけその後流水にさらし、熱が取れたらザルにあげて向きを揃えて絞る。
③これを”切らず”にだし割り醤油ににひたし、30分ほどひたす。
④汁気を軽く絞り、食べやすい大きさに切り、器に盛る。ひたし汁を注ぎ、いりゴマ・かつお節・きざみのりなどお好みでかけて完成!!
(榊原)
丹野みどりのよりどりっ!
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2018年04月19日16時33分~抜粋

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