丹野みどりのよりどりっ!

簡単に作れる世界の料理:パエリア(スペイン)

木曜日の「オトナのいろどりっ!」は、関富子先生のお料理レシピ。
毎月のテーマに沿ったレシピを1品ずつご紹介いたします。

11月のテーマは「肩肘張らない!世界の料理」。
今回は、「パエリア」です。

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「素」に頼らなくても簡単に


フライパンやお鍋でドーンと、あの具だくさんの黄色いご飯が出てきた日にはね、

「もう、レッツ・パーティ!ですよ」

誰もいなくてもパーティ気分が盛り上がる、と丹野みどり。
なんかハッピーね、と関先生も言葉を重ねます。

関先生によると、パエリアというのは鍋の名前から来ているとか。
丸くて、浅くて、両手が付いているお鍋がパエリアで、この鍋を使ってバターライス、ピラフのようなものを作るという意味だそうです。

さて、今回パエリアを作ると知って、丹野みどりがポツリ

「あのー、先生ね、よく鮮魚コーナーに行くとそばに、パエリアの素っていうスープの素みたいなのが売っていて……」

「え!」

関先生、どうやらこのようなお手軽商品があることを今まで知らなかったご様子。
関先生には必要ありませんものね。
しかし、

「パエリアもやっぱしね、フライパンひとつ。もう本当に簡単なんですよ」

トックもボルシチも?鍋ひとつで簡単に作ることができたので、今回も関先生マジックで簡単に!お願いします。

まずはお米を前もって洗っておきます。
大切なのは、水切り。
しっかりと30分ほど置いておきます。

パエリアといえば、たっぷりの具材ですよね。
お肉やエビ、イカにムール貝。
まあムール貝はなければ、アサリやハマグリなど、手に入りやすい貝類で良しとしましょう。
あとはトマトでしょうか。

そのあたりの具材があればできてしまいますが、ただひとつ、
あの黄色いご飯にするにはサフランが必要です。

「何が高いかっていったら、サフランが高い」

パエリアを作るにあたって、もっとも高価な材料が、このサフラン。

「こんなちょっとで、んーって感じなの」

実感がこもる関先生。
前に旅行に行ったときに、安いものを買ってきたら、味が全然違ったそうです。
やっぱり安いものを買うとおいしくないのだとか。

「え!?サフランは黄色く色を付けるだけじゃなくて、お味にも影響するんですか!?」

絶句する丹野みどり。
しますよー、します、します、と繰り返す関先生。

「色付けるだけだったら、ターメリックでもいいじゃないですか」

言われてみれば、たしかにそうです。
とあるリスナーさんからも、「我が家ではカレー粉を使って『パエリア』と言い張っていました、家族が外食するようになってからその手は使えなくなりましたが」とおたよりを頂きました。

とにかく、サフランは色だけでなく、味に大きく影響する。

「こう、本当にこう、なんともいえない優しいお味、香りがしてくるの」

ですから、パエリアを作るなら、必ずがんばって、サフランを買うということ。
関先生曰く、ちょっと目玉が飛び出す、そうですが、手を出してみてください。

そして、手を出したら最後

「パエリア攻めですよ、元を取るために」

どんな攻撃ですか、丹野さん。

「ブイヤベースもあるよ」サラッと逃げ道を作る関先生でした。

「フライパン」頼みで演出まで


パエリアを作るならパエリア鍋で、と本来ならなりますが、一般家庭にそんなものはおそらくないので、フライパンで作っていきます。

お肉は、鶏のもも肉を使います。コロコロ切ります。
ニンニクとタマネギは、みじん切りです。
イカさんは、ロールイカでも普通のイカを買ってきても構いません。輪に切ったり、細く切ったり、いろんな切り方をしてみてください。
エビは塩水で洗って、背わたを取っておきます。
貝は洗って、水切りをします。
ピーマンさんは1cm角に。
トマトは湯剥きができれば湯剥きして、できなければ皮付きのまま、種をチョンチョンと掻き出して、ちょっとコロコロと切っておきます。
そうしたら、あとは、レッツ・ゴーお鍋、フライパン!

さて、パエリアはお米の料理、ということで、米を炊くには水が必要ですよね。
普通のご飯を炊くときと、同じくらいの水加減で大丈夫。
つまり、2カップの米に対して、2.5~2.7カップの水を用意します。
そこで、一手間。
酒と塩と胡椒で少し味を付けて、水をスープにしておきます。
こうすると、初めて作る方も上手にできるそうですよ。

準備ができたところで調理開始です。
使う油はやはり、オリーブ油が良いでしょう。
フライパンに少し入れて、先にお肉に焼き色をつけておきます。
これは、お肉を生で加えると、灰汁が出てしまうため、灰汁止めで表面を焼いておくのです。
そして、表面がコーティングされることで旨味が閉じ込められて、おいしさも増すそうですよ。

お肉を取り出したら、同じフライパンに、今度は油をたっぷり入れましょう。
みじん切りにしたタマネギとニンニクを入れて、色づき香りが立つまで炒めます。
そこに洗い米を入れて、3分ほど弱火で炒めます。
お米が透き通ってきたところで、あのお高いサフランとか、ローリエの葉っぱとかをちぎって加えます。
サフラン自体は赤色ですが、だんだん黄色っぽくなっていきます。
でも、まだちょっと色味がさみしいな、と思うかもしれません。
しかし、ここでは大丈夫。あとからちゃんと色が出てきますから、安心して次の工程に移りましょう。

先に炒めておいたお肉と、ピーマン、トマトも入れて、炒めます。
そこにあらかじめ作っておいたスープを入れるのですが、そのまま入れるのは、ちょっと待った!

「冷たいお水を入れると、お米がキュッと萎縮しちゃうわけ」

そこで、ガスコンロが2口あったら、もうひとつのガス台で、あのスープを温めておきます。
そうすれば、お米もギュッとせずに、そのままおおらかに育ちます。

「せっかく炒めてもらって温まったのにね、冷や水をかけられてもね」

関先生に続けて丹野みどりも。材料の気持ちになってお料理を作ることが、おいしいお料理を作る秘訣でしょうか。

それはさておき、フライパンに温かいスープを入れましょう。
そうすると、おやおやおやおや、黄色い海になるんです。

海ができたところで、魚介類を散らしましょう。
フライパンに蓋をして、わーっと一度沸騰させます。
あとは弱火にして、20~25分放っておきます。
水分が引いてきて、貝の口も開いている、エビも真っ赤っ赤になったところで、最後ちょっと火を止めて7,8分~10分近く蒸らします。

すると
パッと開けると、わって感じ」

料理の完成形を音で表現する関先生。
なのに、おいしさと料理を目の前にした感動が伝わってきます。

そして、それを目の前にした丹野みどり。
食べると、バターライスやピラフと違って、どこかスーッとする感じ。
トマトの酸味もありますが、やはりサフランが効いているのでしょうか。
爽やかな感じが口に残ります。

サフラン以外は、特に値が張るものはありません。
米を炊くのに20分、蒸らすのに10分。
人が集まってから、他のお料理をつまみつつ作ることも十分できます。
なにより、演出的にとてもよい。
誕生日など記念日のパーティに華を添える料理ですね。
最後にくし型に切ったレモンを添えると、いっそう美しく美味しくなりますよ。

材料とレシピ


【 材料 】
・米 2カップ
・鶏肉 160g
・塩、胡椒
・オリーブ油
・玉葱 100g
・にんにく 1粒
・ローリエ 1枚
・サフラン
[A]
・湯 2.7カップ
・酒 大さじ2
・塩 小さじ1
・胡椒 少々
・イカ 80g
・海老 8本
・あさり 120g
・ピーマン 1~2個
・トマト 1個
・オリーブ油 大さじ2~3
・アルミホイル

【 作り方 】
①米は炊く30分前に洗い、ザルにあげしっかり水気を切る。
②玉葱、にんにくはみじん切り、ローリエは適当にちぎる。
③サフランは空煎りして、紙の上で刻む。(←しなくてもいい)
④イカは皮をむき5㎜幅の輪切り(好きに切ってOK)海老は塩水で洗い背わたをとり、あさりはこすり合わせて洗いザルにあげる。
⑤ピーマンは1㎝角に切り、トマトは湯むきにして種を取り出しコロコロに切る。
⑥鶏肉は1.5㎝角に切り、焼き色がつく程度炒め、塩・胡椒をする。
⑦肉を炒めたフライパンに、オリーブ油をたっぷり入れ、玉葱・にんにくのみじん切りを入れ炒める。香りがでたら米を入れ、透きとおるまで3分ほど弱火で炒める。サフランとローリエも入れてムラなく全体に色をつける。
⑧ピーマン・トマトを入れ軽くまぜ、鶏肉を入れ炒めあわせる。[A]の湯・酒・塩・胡椒を入れ中火で煮る。
⑨サフランの色が出てきたら火を弱め、イカ・海老・あさりを並べてアルミホイルをかけ(蓋をして)強火にし、煮立ってきたら弱火にし20~25分炊く。水気が引いたら火を止めて7~10分ほど蒸らす。

(榊原)
丹野みどりのよりどりっ!
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2017年11月16日16時37分~抜粋

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