大谷ノブ彦のキスころ

かみじょうたけしが語る「高校野球マニアック秘話」

ダイノジ・大谷ノブ彦が、成績も人気も低迷する中日ドラゴンズに言いたいことをぶちまけ、リスナーと共に改善案を模索しながら、最後はみんなひとつになって応援していこうという、4時間の特番『大谷ノブ彦のキスドラ』。

7/19の放送では、"高校野球大好き芸人"かみじょうたけしさんがゲスト出演し、高校野球の裏話などを語ってくれました。

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市立西宮・山本拓実

「市立西宮高校野球部」モデルのユニフォームを身にまとって登場したかみじょうさん。早速、同校出身で昨年ドラフト6位でドラゴンズに入団した、ルーキーの山本拓実投手についてのエピソードを話します。

かみじょうさん「多分、ドラゴンズファンの皆さんはご存知だと思うんですけど、山本拓実くんというのは野球が好きすぎて、小学校の時にお父さんに『クリスマスプレゼントをサンタさんに頼んで欲しい』言うて。お父さんが『何や?』って聞いたら、ブルペンを頼んだっていう」

大谷「アッハッハッハッハッ!知らねーよ、誰も!どこでその話を仕入れてきたんだよ」

実は大谷は以前、かみじょうさんからこの話を聞いており、今年の春季キャンプでその真意を直接本人に聞いてみたんだそう。
するとご本人、「あの頃バカでしたねえ…」と遠い目で言ったんだとか。それですっかり大谷は山本拓実投手のファンになったのでした。

ちなみに、どうやって仕入れたかというと、お父さんに街中で偶然会ったからだといいます。阪急西宮駅の北口前で「あれ?かみじょうたけしさんちゃうんですか?」と話しかけられたのです。
かみじょうさんは高校野球大好き芸人として『アメトーーク!』(テレビ朝日系)に出演していたため、関係者の間では超有名人なんですね。

父親「知らんと思いますけど、実は市立西宮高校で頑張ってるピッチャーがおりまして」
かみじょうさん「あ、山本投手ですか?」
父親「知ってるんですか!?」
かみじょうさん「当たり前じゃないですか!あなたの息子を知らん人が、この西宮の商店街を歩けません」

このやり取りでお父さんが喜んでくれて、“サンタにムチャブリエピソード”を話してくれたということです。
ブルペンを頼まれたお父さん、「1回、庭の広さを確認しましたからね」ということで、親子共々いい味出してます。

大阪桐蔭・平田良介

他にドラゴンズの選手で、高校時代がすごく印象に残っている選手は?という質問に、「まあ有名ですけど、やっぱ平田(良介)選手ですね、大阪桐蔭の」と答えるかみじょうさん。
あの、2005年の夏の甲子園大会準々決勝・東北戦で、PL学園・清原和博選手以来の「1試合3本塁打」を放ったのは記憶に新しいところ。

ただ、かみじょうさんの情報はこれだけには留まりません。
「ムチャクチャすごかったですよ、大阪界隈で。小学校の時からムチャクチャ有名でしたからね。打つよりも走るのがメチャメチャ速いので有名やったんです」

確かに平田選手は足も速いですが、それだけだったとは意外ですね。

「中学で『都島ボーイズ』というチームに行ってるんですけど、その時もとりあえず足が速いというイメージやったですね。ペンギンみたいな走り方するでしょ?手をペンペンペンペーンって。あれ、小学校の時はもっと酷かったんですよ。ペンギン、ペンギン言われて」

こんなミクロな情報も、実際に現地で見ていたというから驚きです。

ちなみに、甲子園での1試合3本塁打は、かみじょうさんいわく「昔なら4打席連続ホームランの大記録だった」そうです。

「ホームラン2本打って、確か3安打目がライトフェンス上段直撃やったんですよ。で、4安打目がまたホームランやったと思うんですけど。タラレバを言うてもアレですが、清原さんの時ってラッキーゾーンあったわけじゃないですか。それがあったら優に入ってます」

そんなすごい選手が今、ドラゴンズにいるということです。

津名・伊藤祐樹

かみじょうさんが高校野球にハマるきっかけは何だったのでしょうか。

「小学校6年の時に、親父に地方大会に連れて行ってもらって、好きになったんです」

その時の地元のスター選手は、兵庫県立津名高校の伊藤祐樹選手。後に社会人野球の日産自動車に入って、ショートでベストナインを3回獲っているそうです。
「伊藤くん出よるから見に行こうや」と父親に言われて行ったのが、兵庫県大会準決勝。

かみじょうさん「淡路島の田舎の、別に全国から選手を集めてきた訳でもなくて、果物屋の兄ちゃんとか電気屋の兄ちゃんが集まった学校が、『あと2つ勝ったら、いつもテレビで見てる所に、あの果物屋の兄ちゃん行くの?』って興奮して。それで船に乗って明石球場(現・明石トーカロ球場)に行ったんですよ」

取っ掛かりはそれですが、この後伊藤選手の活躍を見てのめり込んだ、という訳ではありません。
地下にあるブルペンがたまたま見えるところを見つけたかみじょう少年。そこで見たのは、いつも遊んでくれてる近所のお兄ちゃんが投げている姿でした。

かみじょうさん「いつもはね、ゆっくり投げて僕らと遊んでくれるんですよ。で、僕らが打って、『ヘボい球投げよんのー!』とか、僕ら小学生やから、からかったりしてたんです。
けど、その兄ちゃんが投げた球が『バチコーン!』っつって。『キャッチャーミットから煙が出とるんちゃうか、何やこの球!?』って」

高校生の本気を見たかみじょう少年は、怖いと思ったそうです。
しかし試合では強豪私学相手に三振を取る姿を見て、徐々に怖さがカッコ良さに変わっていったのでした。

結局、試合は2対1か3対1の僅差で負けたのですが、決勝で神戸弘陵学園がそのチームに11対0かそこらでボロ勝ちし、甲子園出場を決めてしまいます。
すると、「大差で勝った神戸弘陵より、善戦した津名高校の方が強いやん」という、小学生ならではの都合のいいロジックを生み出し、段々ハマっていったんだそうです。

徳島商業・板東英二

夏の甲子園が100回を迎えるにあたり、レジェンド始球式が行われることになり、8月16日には板東英二氏が登板すると発表されました。
かみじょうさんは「板東英二モノマネ芸人」でもあるので、本人とも親交があるようです。ただ、危惧していることがあるんだとか。

「8月16日は、高校野球で『えっ?』という試合が多いんですよ。例えば、1979年にあった箕島対星稜の延長18回。伝説のあの試合が8月16日なんですよ。1992年、松井秀喜さんが5打席連続敬遠されたのも8月16日。1998年、宇部商業対豊田大谷のサヨナラボークも、8月16日なんです」

お盆の終わりで、空気的に何があるのかわからないと言うかみじょうさん。板東氏とこんな会話を交わしたそうです。

かみじょうさん「甲子園っていうのは板東さん、ちゃんとせんとアカン所やから、『これ、ボールやと思ったらゆで玉子やないかい!』って通用しないですからね」
板東氏「分かってるわボケ!アホ!誰だと思ってるんだ僕を。83個の奪三振は僕の記録やで!」

ちなみに、最近の若い世代は板東氏の存在そのものを知らない者も多く、かみじょうさんは本人に苦言を呈したそうです。

かみじょうさん「板東さん、もう1回ちょっとバーッと世に出てくださいよ」
板東氏「頑張ってるわ俺も!もう80歳を迎えようとしているわ、かみじょうバカ!お前が頑張れ!お前が先に行って引き上げろ!」

逆に苦言を呈されてしまいました。

報徳学園・小園海斗

リスナーから、注目の選手として報徳学園の小園海斗選手の名が挙げられました。
実はかみじょうさん、小園選手とは2年前の高校入学直前に偶然出会ってるんだそうです

2016年3月、かみじょうさんの元へ中学生が2人寄ってきました。

Aくん「○○ボーイズで野球やってる△△と言います。春から報徳学園に行くんで、僕絶対来月からレギュラー取るんで、僕の名前覚えとってください。アメトーークで言ってください。アメトーークに出たいんです!」

かみじょうさん「おお、頑張りやー」

Bくん「こいつ、めっちゃ球速いんですよ、ピッチャーで。・・・おい、お前、MAX何km/h出るかちょっと教えたれや」
Aくん「お前ちょっと黙っとけ、今かみじょうさんに挨拶してんねや!…すいません、こいつは無視しといてください!」
Bくん「早くMAX教えたれ、お前のMAXをかみじょうさんに」

アツい気持ちを伝えてくるAくんと、横から茶々を入れてくるBくん(MAXくん)。

かみじょうさん「MAXくん、キミも野球やってんの?」
Bくん「あ、自分もまあまあ、こいつと一緒の感じでいきます。応援してください」
かみじょうさん「名前は何て言うの?」
Bくん「小園海斗です」

何と注目選手は、押しの強い方じゃなかったのです。
しかし当時はまだ無名の小園選手。かみじょうさんは「2年半後の100回記念大会を盛り上げる世代」として、メモに2人の名前を残しておいたんだとか。

すると4月、春季大会が始まり、新聞を読むとそこには「報徳学園に1年生のショート 彗星現る 小園海斗」という文字が。
「えっ、MAXくんやんけ!」と驚いたかみじょうさん。アツい思いのAくんの名前は見当たらず。結局MAX何キロかは分からず仕舞い。

ですが、この夏、初めてAくんがベンチ入りをしたそうです。先日試合を見に行った時に、「やっと僕ベンチ入りしました、かみじょうさーん!」と大喜びしていたそうですよ。この話だけでもアメトーーク、イケそうですね。

大阪桐蔭・根尾昴

かみじょうさんいわく、「小園選手のショートの守備は高校日本一。今年のドラフト1位で消える逸材」だということです。

ドラフト1位級と言えば、大阪桐蔭の根尾昴選手と藤原恭大選手。根尾選手の出身は岐阜県です。かみじょうさんは根尾選手が中学時代に所属していた「飛騨高山ボーイズ」を見に行ったそうです。根尾選手は既にいないのに。もう、好奇心半端ないです。

「すごいとことにあるんですよ。車で登って行く途中に、ニホンカモシカがおったんですよ?絶滅危惧種でしょ、あれ。ニホンカモシカに遭遇したさらに上にグラウンドがあるんです」

厳密には、九州など一部の地域では絶滅危惧種で、岐阜ではそうじゃないのですが、国の特別天然記念物ではあるので珍しいことは確かです。

「で、監督さんにお話を聞かせてもらったんですけど、監督は元々、NTT東海で社会人野球をやってたキャッチャーで、岩瀬(仁紀)さんとバッテリーを組んでたんです」

意外なところで、ドラゴンズとの縁が出てきました。

かみじょうさん「中学時代の根尾選手の、どんな球を受けてたんですか?」
監督「いや、根尾の球は危ないから捕れません。本職のキャッチャーに任せてました」
かみじょうさん「いや、岩瀬さんの球を受けてた人でしょう?」
監督「いやいや、岩瀬の球とは全然違います」

プロ入り時の岩瀬投手は、150km/h近いストレートと、超キレッキレのスライダーが武器でした。とても見劣りするレベルではありません。監督が現役を引退して年数が経っているということもあるので、差し引く部分もあるかとは思われますが、そのぐらい威力のある球を投げていたのでしょう。

ちなみに、高校の授業が終わって黒板を率先して消しに行くのも、根尾選手が一番早いそうですよ。これは大阪桐蔭の同じクラスの女子から聞いたそうです。恐るべし、かみじょうさんのリサーチ力。

大阪桐蔭・藤原恭大

一方、藤原選手についても「根尾選手より早く、1年生でデビューしてる」と言うかみじょうさん。

「藤原選手が大阪桐蔭でデビューしたきっかけ、知ってます?これ、誰も知らないと思うんですけど、実は、大阪桐蔭って陸上部もものすごく強いんですよ。で、1年生で入った時に、陸上部の短距離の一番速い人と、『おい1年、1回競争してみぃ』って言われて、藤原選手が普通の運動靴で勝ったんですよ」

それで「藤原ってスゲェ!」と評判になり、監督の耳にも届き、確かに足は速いわ、試しにバッティングさせたら思いっきり飛ばし、遠投させたらとんでもない飛距離だったという。
大阪桐蔭野球部の層は厚いので、1年生が簡単に出られるものではないのですが、さすがにモノが違うということになったようです。

さて、様々な高校野球談義の後、最後にかみじょうさんからのリクエスト曲です。この日は「サザンオールスターズ特集」ということで、サザンの曲を用意しました。
その曲名は、『真夏の果実』。

かみじょうさん「いやあ、やっぱり僕は夏はねー、鹿児島実業が強いっていうね。"真夏の鹿実"」

最後まで高校野球絡みの、かみじょうたけしさんでした。
(岡戸孝宏)
大谷ノブ彦のキスころ
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2018年07月19日20時04分~抜粋

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