大谷ノブ彦のキスころ

ダイノジ・大谷ノブ彦がM-1グランプリに物申す!

ダイノジ・大谷ノブ彦が音楽、映画、名古屋のグルメ、和菓子、中日ドラゴンズなど、好きなものをアツく語る番組『大谷ノブ彦のキスころ』。

12/3の放送では、この日の夜に行なわれるテレビ朝日系『M-1グランプリ』について語りました。
当然、結果はこの時点では分からないので、大谷が斬るのはM-1のシステムについてです。

2002年のM-1決勝に進出もしている大谷。どのように斬り込むのでしょう。

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ダウンタウンの育ての親


リスナーからこんなおたよりが届きました。

「僕のような素人が疑問をぶつけるのはおこがましいんですが、M-1の予選の審査は公平に行なわれているんでしょうか?観客の人数も含めて会場の状態に不公平があるような気がします」

「公平にしてるよ。公平だけど、審査員の個人的な好き好きだと思いますよ。何が面白いかつまらないかなんて、その人の趣味なんで。お笑いは正解が全くないと思いますので」と大谷は答えます。

そして先日、大谷と、吉本興業の大﨑洋社長(ダウンタウンの元マネージャー)と、キングコング・西野亮廣との3人で食事した時に、面白い話が聞けたというのでした。

“笑いの殿堂”とうたわれ、吉本の一番の象徴と言うべき「なんばグランド花月(NGK)」。吉本新喜劇が連日上演されている、900人ほど入る大きな劇場です。
それに対し、真逆の存在として作られたのが「心斎橋筋2丁目劇場」。1986~1999年まで稼働していた、定員150人弱の劇場で、ダウンタウンなど若手主体の場でした。

こんな小さな劇場ですから、毎回いくらたくさんお客さんを入れても黒字にはなりません。でも2丁目劇場の誕生を導いた大﨑氏(当時は一社員)は、この大きさにこだわりました。「テレビの画角サイズと一緒だから」と。

NGKは大きいので、演者は動きも大きくしなければなりません。でっかい動きをしないと広い客席に伝わらないのです。
新喜劇の中継を見ると、動きを大きくしているのが分かりますよね。
「それはこれからのテレビのお笑いじゃない」と大﨑氏は語ったそうです。

「なるほど。『笑っていいとも!』だって、新宿アルタの100人も入らないスタジオでやっていた。笑いを作るのにはそのサイズが一番合っているのか」と大谷は納得しました。

つまり、心斎橋筋2丁目劇場というのは、「これからのお笑いはテレビだ!」という宣言の場所でもあったのです。

「これはオモロイと思いましたね。僕らはNGKを目指して身体を大きく使うトレーニングをしてたのに、テレビがメインになると言った瞬間にミニマムなところでのお笑いを取ることになるんですから」と大谷。

続けて「観客100人だったら、表情ひとつ、細かい所まで見られる。でも、800や900人だと表情はそんなに分からない。大きなボディ・ランゲージと大きなツッコミがないとダメ。笑いの種類が全然違うんですね」

M-1のMはマネー?


そしてM-1グランプリに言及します。

「M-1は敗者復活戦を競馬場でやるんですよ。1万人集めて。準決勝の会場もNGKとか、でデカいんですよ。おかしいんですよ。その後テレビのスタジオで小っちゃく100人くらいの客前でやるのに」

以前は敗者復活戦を大井競馬場でやっていましたが、最近はテレビ朝日すぐそばの六本木ヒルズアリーナで行なわれています。準決勝も今年は別の会場です。が、それでもNGKレベルの客数です。広いです。

「準決勝も敗者復活戦もデカい所でやりたがるんですよ。なぜかと言うと、興行だからです。金を取ってるんですよM-1って。お金稼ぎのためにやってるからなんですよ」

そうです。前年度の準決勝進出者は免除され、素人も参加している1回戦でこそ入場料金は500円ですが、徐々に上がっていき、準決勝では5500円。敗者復活戦でも3500円です。

「でもM-1自体のクォリティーを上げるためには、絶対小っちゃいところでやるべきですよ。興行にしない方がいいです。90人のアトランダムに選ばれた視聴者やお客さんが集まってきて、やるべきだと思います。予選の2回戦からずっとそれでいいと思ってます」

自分が所属する事務所主催のM-1を、遠慮なく批判する大谷。しかしこういうハミダシ精神が、社員時代は自分の思うままに突き進んでいた大﨑社長に気に入られ、食事を共にするくらいになっているのかもしれません。

「僕ら演者も、M-1に出る時に金を払いますからね。そうでもしなきゃ番組として成り立たないと言うんであれば、それは仕方ないですね。それがテレビのコンテンツの限界かなって思っちゃいました」

出場者は予選の1回戦、2回戦…と出るたびにエントリー代として2000円払うシステムらしいです。

世界に通じる漫才


この後大谷は、未来への展望を語ります。

「磨きをかけ精度を上げて、非常にクォリティーの高いものにしていったら、例えばアジアで漫才の文化を広めることができたら、ネットフリックスとかアマゾンとかの動画配信コンテンツでやった方が、良さがいっぱいありますから。お金集めるために広い所でやるより、クォリティー重視でやった方が世界に通じるコンテンツになるような気がします」

そして改めて「僕はM-1についてはそんな風に考えてます。審査は公平うんぬんじゃなくて、その人の好き嫌いです」と断言する大谷なのでした。

実際、今年のM-1ではマヂカルラブリーが上沼恵美子に「好みではない」と言われてましたから。
大谷の言葉通りなら、好みの人も多くいるから決勝まで残ったということ。めげずに今後も頑張ってほしいものです。
(岡戸孝宏)

大谷ノブ彦のキスころ
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2017年12月03日14時27分~抜粋

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