大谷ノブ彦のキスころ

ダイノジ大谷、ジャニーズのリーダー論を語る

大谷ノブ彦が最近ハマった小説が『忍びの国』。和田竜(わだりょう)の歴史小説です。映画化もされた『のぼうの城』の作者でもあります。
戦国史上唯一、侍と忍者が直接対決したといわれる「天正伊賀の乱」(1578~79年)を題材にし、織田氏と伊賀衆による壮絶な合戦が描かれています。

主人公の無門(むもん)は、伊賀流一の腕前でありながら、極度の怠け者。女房のお国(くに)の尻に敷かれる毎日でした。
しかし、織田信長の次男・信雄(のぶかつ)に攻め入れられたのを機に、伊賀国の人たちのために立ち上がる、というストーリー。

この作品が映画化され、7月1日に公開されます。主演は嵐の大野智で、無門役。その妻・お国役を石原さとみ。敵対する信雄役をHey!Say!JUMPの知念侑李が演じます。

「この、無門というキャラクターが、非常に大野くんにピッタリだなと思って」と話す大谷。
原作の小説を読む前は、大谷の盟友であるマキタスポーツが割といい役で出演するということで、「何だよ、嵐の大野くんと共演かよ」という嫉妬の目でしかこの映画を捉えてなかったそうです。
しかし読み終えた後は、もう映画が楽しみで仕方がないと言います。

[この番組の画像一覧を見る]

SMAPのリーダー論


この世にあふれる様々な“リーダー論”。野球の監督にリーダー像を求める人もいれば、ビートたけしのような親分肌を理想とする人もいます。

「ジャニーズでいったら中居正広さん。リーダーとしての役割がすごい。自分のことを落とすじゃないですか。歌がヘタだとかファッションがダサいとか。
そして欠点が魅力的に映るように転換させる。木村拓哉さんが王道を行き、自分が欠点を見せるというバランスを取ることで、他の3人は欠点も含めて、それぞれを補い合うSMAPというグループになっていく」
と力説する大谷。

「自分が落ちこぼれだったからこそ、欠点を良い風に持っていけて、メンバーを“立体化”させることができた」とも。

立体化というのは、表面的じゃない、奥行きのある、いい意味で落差のある状態にしたということでしょうね。

この、落ちこぼれ感が大事だと言う大谷。
例えば、中日ドラゴンズの大野雄大投手。彼は母子家庭に育ちました。そして今、シングルマザーなどひとり親家庭の親子を球場に招待する活動をしています。自分の欠点を誰かのために良い方に転換していく。それを励みに自分も頑張る。とてもいい事です。

嵐のリーダー論


一方、嵐は、このSMAPのやり方を踏襲していません。

「嵐のメンバーはそもそも、『8時だJ』とかの番組で、ジャニーズJr.という若手軍団の中の、ナンバー2の集まりなんですよ。タッキー(滝沢秀明)がトップにいて」

みんな歌も踊りもすごくうまい。
ジャニーズの正統派男前、松本潤。
アイドルだからこそこういう事をやる、というのを理解して実行している二宮和也。
TVタレントとして完璧な相葉雅紀。
司会・キャスターとして素晴らしい櫻井翔。
二番手の実力者たちを集めたのが嵐であると、大谷はそう話します。そして興奮気味にまくしたてるのです。

「大野くんは嵐が結成される前、京都で舞台をやってた。アイドルとしてはくすぶってたんですよ。『明日にもジャニーズ辞めたい』って言ってた人なんですって」

「ところがこの男、とてつもなく歌がうまいんです。アイドルの中でもトップクラス。そして踊りもうまい。一度見た振付はすぐ覚える。絵もうまいし字もうまい。芸術的なスキルがすごく高い人だそうですね」

「『明日にも辞めたい』というやる気のなさ。どこか居心地の悪そうな感じ。これは、『忍びの国』の無門とソックリなんです。伊賀国にいながら『何か俺、ここじゃないんだよなあ』と思いつつ、でも最終的には自分の所属しているところに対して愛情を注ぐっていう」

「その大野くんを嵐のリーダーにした。ナンバー2の誰かをリーダーに決めるんじゃなく、そもそも部外者のやる気のない技術の高いヤツをリーダーにするから、みんなで側面を支えようとするわけ。でも逆らいはしない。なぜなら技術が高い人だから」

こんなのは、日本のエンタメ界だけじゃない、野球などのスポーツ界にもなかなか無い構図だと、大谷は感嘆の声を上げるのでした。

人生いろいろ、リーダーもいろいろ


『キャプテン』という野球マンガが昔ありまして。4代に渡ってキャプテンを描いていくのですが、全員それぞれタイプが違うんです。
実力のない者が一生懸命頑張って、キャプテンにふさわしくなろうとする者(谷口タカオ)や、天才なんだけど人の事を顧みないヤツ(イガラシ)など。
ちなみに、あのイチロー選手が一番好きなキャラクターがイガラシです。

「リーダー論」みたいな本を必死に読むのは意味がないんじゃないか。
そこにいるグループがどんな人たちで、どんな人間性で、それがどういう集合体かということを踏まえて、キャプテン・リーダーを選ばなきゃいけないと大谷は考えます。

やる気のなかった大野が今では嵐をちゃんと束ねている。「ただそこにいる」という存在感のリーダーになっている。SMAPとは全く違うリーダー像。
彼をリーダーに指名したジャニー喜多川の慧眼(けいがん)に、改めて舌を巻く大谷なのでした。

本当に忍者の末裔?


映画『忍びの国』に思いを馳せる大谷が、今一番行きたい場所は伊賀の里。実は大谷、甲賀忍者の末裔だそうです。昔、父親が家系図を見せてくれたのだとか。だから、忍者ハットリくんより断然ケムマキ派だったそうですよ。

ただ、大谷の父親は、大谷が4歳の時家族を捨てて出て行き、たまに会っても「俺は小さい頃松田優作と遊んでた」などとうそぶくいい加減な人なので、家系図もウソの可能性がありますが。ドロンと消えたり煙に巻いたり、ある意味忍者っぽいですけどね。
(岡戸孝宏)
大谷ノブ彦のキスころ
この記事をで聴く

2017年05月07日13時38分~抜粋

関連記事

あなたにオススメ

番組最新情報