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大矢博子『クリスティを読む! ミステリの女王の名作入門講座』

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★内容紹介
・テーマはアガサ・クリスティ。没後48年が経っても、いまだに読まれ続け、ドラマや映画が新しく作られ続けるというまさにミステリの女王。全世界で、聖書とシェイクスピアの次に多く読まれている作家とユネスコが認定、翻訳された言語の数は聖書についで2位の作家です。
・ふだんあまり小説を読まない人でも、アガサ・クリスティの名前は知っているはず。でも興味はあってもいざ読むとなると、どれから読めばいいのかとか、何の前知識もなしに読んで大丈夫なのかとかと迷うことがあるかもしれない。あるいは、有名作だけは読んでみたけど次はどれを読めばいいのか迷ってる人もいるかも。そんな人向けに、クリスティ作品の入門書として書いたのがこの本です。
・内容は5つの項目に分かれていて、まず第1章は「探偵で読む」
クリスティにはシリーズ探偵が6組いて、最も有名なのがエルキュール・ポアロ。そしてミス・マープルというおばあちゃん探偵も人気。他にトミーとタペンスという夫婦探偵、バトル警視という渋い警察官などなど。それぞれの探偵がどのようなきっかけで誕生し、どのような特徴があり、その探偵のおすすめ作品はどれだ、ということを書いています。
第2章は「舞台と時代で読む」
クリスティのミステリの舞台は三種類あって、ひとつはどこにでもある田舎の村(『アクロイド殺し』など)、ふたつめは中東(『ナイルに死す』など)、そしてみっつめは旅先での話(『オリエント急行の殺人』など)。また、時代も戦前、戦時中、そして戦後にわたって書き続けられているためそれぞれの時代のイギリスの暮らしがどのようなものだったかもよくわかる。戦時中の小説ではナチスドイツを批判しつつドイツ人個人が嫌いなわけではないというようなことを書いたり、戦後は戦勝国なのに経済が傾いていくイギリスに対する郷愁に満ちた作品を書いたりしている。
第3章はロマンスや家族といった人間関係の物語、
第4章ではミステリの仕掛けに注目、
そして第5章では『シタフォードの謎』『殺人は容易だ』という二作をサンプルに、犯人やトリックをネタバラシした上で、この文章のここにこんな仕掛けがある、というテクニックを解説した。
・そもそもなぜそんな昔の作家の作品が今も人気なのか。小説というのは時代を経るとどうしても古びてしまうし、ミステリなんかは特にトリックが現代では通用しなくなったりするものなのに、なぜクリスティの作品は今も読者を魅了し続けるのか、この本を読めば(多分)わかってもらえるんではないかと。また、入門書ではあるけれど、クリスティはぜんぶ読んでるよ、というマニアの人にも喜んでもらえるようなトリビアや裏話なども載せました。多くの人にクリスティの魅力が伝わるといいな、と思っています。
大矢博子『クリスティを読む! ミステリの女王の名作入門講座』
東京創元社から1980円で1月26日出版されます。
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