多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

第170回 直木賞予想

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★加藤シゲアキ『なれのはて』2回目
テレビ局に勤務する主人公はある一枚の絵に出会い、展覧会を企画するためその作者について調べる。するとその画家は半世紀以上前、秋田で起きたある変死事件の現場から忽然と姿を消していたことが判明。何があったのか調べる主人公の前に浮かび上がったのは、終戦の半日前に秋田を襲った「日本最後の空襲」という歴史だった。
近代史に向かい合うなど骨太な作品、すごい。テーマを詰め込みすぎたかも!?
★河崎秋子『ともぐい』2回目
日露戦争が近づく明治の北海道。人里離れた山の中に小屋を建て、誰ともつるまず、犬だけを連れて狩猟生活をする男が主人公。熊同士の争いに巻き込まれて大怪我を負った主人公は自身の生きる意味を追い求め、熊との決闘に向かう。冬の北海道という極限の寒さの中、自然の恐ろしさと命の重みを描いた作品。
迫力のある1冊、文章の迫力を味わいたい。
★島津輝『襷がけの二人』初
大正時代、会社を経営する裕福な家に嫁いだ若奥様と、その家の女中頭の、大正から昭和にかけての物語。女中頭の初衣にはある秘密があり、千代は夫とうまくいかないことを悩んでいる。昭和に入って戦争が始まり、過酷な空襲や戦後の混乱を経てふたりの絆が育まれる様子を描く。
しっとり読ませる日常の描写が素晴らしい。初ノミネートでもう少し読んでみたいという意見も!?
★万城目学『八月の御所グラウンド』6回目
短編一作と中編一作が入っている。どちらも京都が舞台。短編「十二月の都大路上下(かけ)ル」は高校駅伝で京都を走っている高校生が沿道に妙なものを見る話。表題作はひょんなことから野球大会に出ることになった大学生が、人数が足りずにたまたまそこにいた人に助っ人を頼む。異様に野球の上手なその助っ人の正体は──。京都という土地の歴史が何層にも重なって現れるファンタジー。
6回目だからもう獲るでしょう。ほぼ決まりか!?
★宮内悠介『ラウリ・クースクを探して』4回目
ソ連時代のエストニアに生まれたプログラミングの天才が消息を絶った。彼の足跡を辿るジャーナリストの視点で、ソ連崩壊という運命に翻弄されたひとりの青年の青春を描き出す。青春小説だけでなくミステリやSFの面白さ、恋愛小説の感動も味わうことのできる物語。
こちらも4回目、詰め込んでいるが文章が端正。
★村木嵐『まいまいつぶろ』初
9代将軍徳川家重は重い障害を持って生まれたため言葉が不明瞭で周囲とコミュニケーションがとれない。そのせいでダメ将軍と伝えられてきたが、本当にそうだったのか。唯一、彼の言葉を理解し通訳していた側近との関係を描きながら、体が不自由なだけで頭脳は明晰だったという新たな家重像を描く。
これが泣ける!宝暦治水を命じた将軍としても有名。

そんな中、大矢さんが予想する 今回の直木賞は?!
今回の直木賞予想、万城目学さんの『八月の御所グラウンド』と予想します!

W受賞があるなら村木嵐さんの『まいまいつぶろ』もあるかも!?
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