多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

第168回 直木賞予想

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★一穂ミチ『光のとこにいてね』文藝春秋・2回目
小学二年生のときに出会った対照的な二人の少女の、出会い、別れ、再会を通して、運命に翻弄される女性の20年以上にわたる交流を描いたもの。母と娘の関係、家族の関係、女性同士の関係などを背景に、寂しいふたつの魂が結びつく様子を描く。
今回でなければ本命候補なのに・・・。

★小川哲『地図と拳』集英社・2回目
日露戦争前夜の1899年から第二次大戦終結後の1955年にかけて、満州にあるという設定の架空の都市の誕生から消滅までを、さまざまな視点から描いた歴史SF小説。SFの手法を通して満州とは何だったのかを重層的に描いている。600ページを超える超大作。
今回としてはこれ!

★雫井脩介『クロコダイル・ティアーズ』文藝春秋・初
鎌倉の老舗陶磁器店で、後継である働き盛りの一人息子が殺される。逮捕された犯人は、なんと被害者である息子の妻・想代子(そよこ)の元交際相手。しかもこの元カレは裁判で「想代子から夫殺しを頼まれた」と言う。家族の中に湧き上がる疑心暗鬼を描いたミステリ。
今さら直木賞?今回でなければこちらもするっと直木賞だったのは?

★千早茜『しろがねの葉』新潮社・3回目
戦国時代末期、シルバーラッシュに沸く石見銀山が舞台。天才山師・喜兵衛が孤児の少女、ウメを拾う。喜兵衛はウメに鉱山の知識を仕込み、ウメも銀堀りをしたいと願うが、女は坑道に入れない。鉱山の女は働き手となる男を産むだけの存在。また男たちも過酷な労働に倒れていく。与えられた状況の何に抵抗し、何を受け入れるかを描いた時代小説。
今回じゃなければ受賞してたよね?これも。

★凪良ゆう『汝、星のごとく』講談社・初
問題を抱えた母親と暮らすふたりの若い男女が惹かれ合い、恋に落ちる。それぞれの夢に向かって進もうとするが、親との関係、遠距離恋愛の問題などがふたりの間に立ちはだかり……という恋愛小説。

他の作品と比べるとスケールが小さく感じる。

大矢予想は小川哲「地図と拳」
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