多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

高野雀『しょうもないのうりょく』

[この番組の画像一覧を見る]

★内容紹介
・ゆるくて楽しくて、ほのぼのしてて、でももしかしたらちょっと深い、SFギャグ漫画。先日3巻目が出て完結したところ。
・このマンガでは、登場人物はみんな何らかの特殊な能力を持っている。「異能」と呼ばれるその能力は生まれつき備わっていて、異能検定で調べられ、履歴書に書く欄まであったりする。ただし、超能力バトル漫画のような派手な能力は出てこない。たとえば「リンゴの皮を途切れさせずに向ける能力」だったり、「猫に好かれる能力」だったり、「お湯の温度がわかる能力」だったり、「ポスターをまっすぐに貼れる能力」だったりと、どちらかといえばしょうもないものばかり。能力の強さにも個人差があるし、自分の能力をあえて調べない人もいる。
・漫画の舞台は中小企業のオフィス。主人公はそこで働くOLの星野さん。星野さんの異能は「書類を崩さずに積める」こと。だけど実は隠しているもうひとつの異能がある。それは「他人の異能がわかる」こと。だからといって本人が公表してない異能をばらしたりするようなことはせず、自分の中で「異能ウォッチング」を楽しんでいる毎日。実は社内には「不老不死」という超レアな異能の持ち主がいるが、本人は自分の異能を調べてないので、それを知らない。知っているのは星野さんだけ。いろんな異能の持ち主が一緒に働く会社での日常を描いたほのぼのSFコミック。
★読みどころ1)才能や向き不向きって何?と考えさせてくれる。
異能コンサルタントが会社にやってくる回がある。そのコンサルタントは星野と同じく人の異能がわかる能力を持つが、社員の異能がことごとく職種と合ってないこと驚く。けれどそれで会社はうまく回っている。さらに、「リスケジュールが円滑にできる能力」の社員がいて重宝されているが、実は彼女の本当の異能は「魚を釣りあげる直前にその魚の種類がわかる」というもの。リスケの能力は努力で獲得したものだった。異能で人を判断していたコンサルタントは、次第に、異能は個性の一つに過ぎず、性格や努力の方がその人を図る上で大事だと気づく。才能のあるなしと、自分が楽しく暮らせるかどうかとあまり関係ないのかも?
★読みどころ2)とにかくしょうもない能力が楽しい!
「自分の好きなものが売れる能力」の人と「自分が好きなものが衰退していく」能力の人が張り合ったり、「電車で次に空く席がわかる能力」の人が空いた席に座るが、さっきまでそこに座っていた人が「近くの人が吐きそうなのがわかる能力」の人だったりする。
・基本的にゆるくて、思わずへらっと笑ってしまうようなギャグマンガで、読んでいると肩の力が抜けること請け合い。さらに、もしかしたら自分や周囲の人にも気づいていない異能があるかも? などと想像して楽しくなる一冊。

高野雀『しょうもないのうりょく』
バンブーコミックスから第1巻・第2巻は748円、第3巻は825円で販売中です。
関連記事

あなたにオススメ

番組最新情報