多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

第167回 直木賞予想

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★河﨑秋子『締め殺しの樹』初
昭和元年、北海道の根室で誕生したヒロインが両親の顔を知らぬまま育ち、引き取られた先でこき使われ、虐待ともいえるような辛い目に遭う。その後、そこを出ることができたものの、運命のいたずらでまた同じ家にかかわることに──。苦しい生涯を送った女性の一代記と、その家に養子に入った青年の物語を対比させて描く。
読んでいて辛い話だが泥の中での蓮の花は咲くというような話。これまで河崎さんが候補になっていないのが不思議。ただ今の暗い時代に暗い話は・・・?
★窪美澄『夜に星を放つ』3回目
短編集。コロナ禍の中で婚活アプリで出会った恋人のいるOLの物語や、祖母の家で夏休みを過ごす男子高校生の話、死んだ母親の幽霊が見える女子高生の話、父の再婚相手になじめない小学生の話など、バラエティに富んだ作品集だが、いずれもかけがえのない人間関係を失って傷ついたものたちが再生できるのかを描いている。
しっとりと読ませる短編集。発表時期が2015年から最近の作品まで
入っているのでコロナがどのように影響を与えたかもわかる。他の作品がとんがっているのでまったりとした作品がどうか・・・?
★呉勝浩『爆弾』3回目
些細な事件で連行された酔っ払いが、実は東京を恐怖に陥れる連続爆弾魔だった。東京の各地で爆弾が爆発、被害が出る。次の場所はどこなのか、犯人と警察の知恵比べを読ませると同時に、人が悪に一歩を踏み出してしまう理由はどこにあるのかを描く。読んでいて一番面白かったのはこの作品。
賞としてみると警察にクイズを出す設定が果たして審査員に受け入れられるか・・・?
★永井沙耶子『女人入眼(にょにんじゅげん)』初
鎌倉幕府草創期、源頼朝と北条政子は娘の大姫を天皇に入内させようと画策、しかし姫の死で頓挫してしまう。政治的リーダーシップをふるう政子が唯一コントロールできなかった娘のとの関係と、幕府・朝廷の思惑を重ねて描いた歴史小説。
まさに今年読むのにタイムリーな作品ですが・・・?
★深緑野分(ふかみどり・のわき)『スタッフロール』3回目
映画界が舞台。戦後ハリウッドの特殊造形師・マチルダと、現代のロンドンのCGクリエイター・ヴィヴィアンというふたりの女性クリエイターを通し、職人の技術がコンピュータの台頭でどう変わるのか、映画への情熱と葛藤を描く。
めちゃくちゃ面白いが、深緑さんの作品はいつも海外の作品なので、どうして舞台が外国?という審査員も・・・?

大矢予想は! 窪美澄さんの『夜に星を放つ』予想
当たる確率は20%?
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