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安部龍太郎『家康』

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★内容紹介
・徳川家康の一代記。今年の7月から毎月一冊ずつ、全6巻で刊行中。現在4巻まで出ており、第5巻がまもなく(11/11)発売。12月発売の6巻で完結。1巻は桶狭間での敗戦、2巻は三方ヶ原の戦い、3巻は長篠の戦い、4巻は甲州征伐(武田の滅亡)、そしてまもなく刊行の第5巻では本能寺の変を中心に、家康の人生が綴られる。今川の人質だった時代に始まり、織田信長と知り合って同盟を結び、武田との戦いの前線を任された家康。負け戦を多く体験したり、家臣や領民を失ったり、正室と嫡男を自らの手で死に追いやったりという悲劇も多く経験した。人質だった少年がどのようにして天下人になり、260年続く幕府を開くところまで上り詰めたのかを正面から描いた、徳川家康物語。

★読みどころ1)家康一代記の新定番
昭和の頃は文庫で5巻、10巻、20巻にも及ぶ英雄の一代記が多く刊行された。司馬遼太郎の『竜馬がゆく』や『翔ぶが如く』、新田次郎の『武田信玄』、池波正太郎の『真田太平記』などなど。だが平成に入って流行が変わり、有名人の長尺物は書かれなくなった。そのため、「家康の一生を読みたい」と思ったら70年前の山岡荘八『徳川家康』(文庫全24巻)しかない状態だった。そこに、久しぶりに真正面からの有名人の一代記が誕生した。

★読みどころ2)新たな解釈で家康を描く
勝った戦いより負けた合戦と、そのあとの家臣や領民の苦しみを丁寧に描いているのが特徴。さまざまな悲しみや苦しみを知っているからこそ、理想の世を作ろうとしたという説得力がある。

★読みどころ3)グローバルな視点
戦国武将の物語は日本の中で完結することが多いが、安部さんは世界史でいえばちょうど大航海時代であったことを目をつけ、世界の影響がなかったはずはないという解釈をする。鉄砲をはじめさまざまな技術や情報が入ってきて、その流通経路をどう確保するかや、そのためにはどの地域を抑えておくべきかなど、経済という面から戦国時代を描いている。

・正統派の家康一代記と世界や経済から戦国を見た新解釈が合わさった、家康物の新定番。

安部龍太郎『家康』
幻冬舎時代小説文庫から4巻までは税込759円からで販売中です。
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