多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

宮木あや子『CAボーイ』

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★内容紹介
・主人公は大学を卒業してホテルに勤めている高橋治真(はるま)。彼は本当はパイロットになりたかったが、ある事情のため断念してホテルに就職した。しかし以前より入りたかった航空会社がCAを募集していること、そして入社すれば他部署への異動が可能になることを知り、転職を決意する。
・無事に入社試験に合格し、研修が始まったが、実は治真にはある秘密があった。彼の父親はかつてその航空会社でパイロットをしていたが治真が小学生のとき、航空機事故を起こしかけた飛行機に機長として搭乗していた。幸い、墜落寸前のところで難を逃れたものの、原因が機長の薬物摂取によるものとされ、父親はパイロットを辞めさせられ、世間の批判にさらされた父と母は離婚。大学卒業時にパイロットの道に進もうとした治真だが、母親の強烈な反対であきらめた。
・父のことは関係なくパイロットの夢が捨てきれず転職に踏み切ったが、いざCAとして入社すると、父は冤罪だったのではという話を複数の人から聞く。何より、父はパイロットこそやめたものの、今もその航空会社の系列会社に勤務している。薬物で事故を起こしかけたのならクビになってもおかしくないのに、なぜ?はからずも治真は、父の一件の真相を追うことになる。
★読みどころ1)CAのお仕事小説としての面白さ
CAとして入社した社員がどのような研修を受けるか、あるいはどんな仕事をしているか、飛行機の客室でどんなトラブルがあるかが具体的に語られる。
★読みどころ2)チームの描写
飛行機を飛ばすためにはパイロットとCAだけではなく、グランドスタッフや整備の人、セキュリティの人など多くの人がチームとして働いており、それぞれが自分の仕事をまっとうして初めて安全に飛ばすことができる。また、父の冤罪について助けてくれる人が社内にも社外にもいて、人との出会いが人を助けるという、「人のつながり」の大切さが描かれる。
★読みどころ3)ポップでコミカルな文章
そんなシリアスなテーマをはらみながらも、文章がめちゃくちゃコミカルで大笑いしなから読める。さくさく楽しく読んで、けれど最後に暖かいものが残る、ワーキングエンタメ小説。

宮木あや子『CAボーイ』
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