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綾辻行人『Another』

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★内容紹介
・2009年に発売された学園ホラー・ミステリ。発売と同時に評判を呼び、漫画、アニメ、映画化などメディアミックスでも話題になった。
・舞台は1998年、ある町の中学校。その中学には歴代の3年3組にだけ伝えられる,
ある言い伝えがある。それは1972年(作中では26年前)、当時の3年3組にミサキという名前の生徒がいた。ミサキは学力優秀スポーツ万能、性格もよくてクラスの人気者だった。ところが不慮の事故で死亡してしまう。悲しんだ同級生たちはミサキがまだ生きているものとして振る舞い、一緒に卒業しようということにする。すると卒業式の日、撮影されたクラス写真にいないはずのミサキが写っていた。その翌年から、3年3組には死亡事件が相次ぐようになる。毎年ではなく起きる年と起きない年があるが、起きる年にはある共通点があった……。
・物語の主人公は、この3年3組に転校してきた榊原恒一。本当は年度始めの4月から転入の予定だったが、持病の発作を起こして急に入院することになり、GW明けから登校することに。彼が初めてそのクラスに入ったとき、入院中に病院で出会った少女がいることに気づいた。ところが、その彼女に話しかけると、クラスメートの反応がおかしい。さらに他のクラスメートと彼女が会話をかわすことはまったくなく、まるで彼女がいないかのように皆が振る舞っている。もしかしたら、その少女が見えているのは自分だけなのでは……? その少女の名前はミサキといった。そんなある日、クラスメートのひとりが階段から転落、死亡して……。
★読みどころ)ホラーの面白さとミステリの面白さの両方が味わえる
自分にしか見えない少女だとか、毎月のようにひとり、ふたりと同級生が死んでいくとか、それが26年前からこのクラスにだけ続いているとか、超常現象を扱ったホラーならではの怖さがたっぷり。と同時に、26年続いているということで、超常現象にもある程度の法則が見えている。それでなんとかこの災厄を止める方法がないかと、榊原くんとミサキさんが過去の例を調べるなどして行動するが、実はずっとヒントが出ていて、そういうことだったのかというサプライズとカタルシスが味わえるようになっている。
・物語のクライマックスが8月なので今読むと臨場感たっぷり。さらに9月、この続編である「Another2001」が刊行される。その前にどうぞ。

綾辻行人『Another』
角川文庫から上下巻それぞれ税込748円で販売中です。
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