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第163回直木賞受賞作  馳星周『少年と犬』

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★馳星周さんプロフィール
・馳星周さんは1996年、新宿を舞台にマフィアの抗争を描いた『不夜城』でデビュー。デビュー作が直木賞候補になるなど、大きな注目を浴びた。その後、暗黒街やアンダーグラウンドを描くノワール小説の旗手として人気を得る。その一方で、愛犬家としても知られる。かつて飼っていた飼い犬が病気になったとき飼い犬のために軽井沢に引っ越したほど。ハードなノワール小説を描く一方で、犬についてのエッセイや小説はまったく別の面を見ることができ、ファンも多い。
★内容紹介
・『少年と犬』は、東日本大震災で飼い主を失った犬(多聞という名前)が、釜石から熊本まで旅をするロードノベル。その道中で多聞が出会った人の物語が連作の形で綴られる。
・最初は2011年秋の仙台。震災で職を失った和正が、認知症の母と、その母を介護する姉の生活のために犯罪まがいの仕事に手を出す。そんなとき、和正はコンビニの駐車場でガリガリに痩せた犬と出会う。首輪には多聞という名前が。多聞を飼うことにした和正は、このあと窃盗団の運転手になるが多聞を連れていくとなぜか仕事がうまくいく。まるで守り神だと思うものの、多聞はなぜかいつも南の方を眺めていて……。
・このあと、南に向けて旅を始めた多聞は、仙台から新潟、富山、滋賀、熊本と移動。その先々で壊れかけた夫婦や、体を売って男に貢ぐ女性や、余命わずかな猟師などに出会い、その人々の心に寄り添う。そして最後に熊本で、ある少年と出会う。
・物語の背景にあるのは東日本大震災。なかなか傷が癒えないなかで、人間の愚かさが浮き彫りになる。そんな中、なぜ多聞は痩せ細ってまで南を目指すのか。
・クライマックスは感涙必至。
第163回直木賞受賞作 
馳星周さんの『少年と犬』
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