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矢崎存美『ぶたぶた』シリーズ

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★内容紹介
・シリーズ第1巻『ぶたぶた』が出たのは1998年。それから22年にわたり、今年1月に出た最新刊が31冊目になる。例外はあるが原則として短編集。すべて独立した話で続きものではないが、共通する登場人物がひとりだけいる。それが「山崎ぶたぶた」という、ぶたのぬいぐるみ。バレーボールぐらいの大きさ。物語は、ぶたぶたに出会った人の視点で語られる。
・たとえば、第1巻第1話は「初恋」という、ごく短い短編。主人公は小さな娘のいるお母さん。仕事を持っているので、ベビーシッターを頼んでいるがその日は出勤時間になってもシッターが来ない。焦っていたところにインタホンが鳴り、やっと来たと思って玄関に出ると、
そこには、バレーボールくらいのぶたのぬいぐるみがいた。
・第1話はベビーシッターだったが、短編ごとに、あるいは一冊ごとに,ぶたぶたさんは別の環境・別の職業についている。シェフ、探偵、ハウスキーパー、お医者さん、本屋さん、お菓子屋さん、ホテルマン、ラジオのパーソナリティなどなど。それぞれの物語で、なんらかの問題や悩みをかかえた主人公がぶたぶたさんと出会い、交流するうちに、自分の心に変化が起きて一歩を踏み出すようになる──というのがすべての物語に共通するパターン。ぶたぶたさんと出会うのは、老若男女、あらゆる年齢、あらゆる環境、あらゆる職業の人でバラエティに富んだ設定が楽しめる。
★読みどころ1)とにかくぶたぶたさんが可愛い!
小さいぬいぐるみが動いて、たとえばリュック背負って電車に乗ったりする。汚れたとき同僚から洗濯機で洗われたり、強風で飛ばされたり。話によって職業は変わるが、基本的に家事能力が高く、料理シーンは魅力の一つ。しぐさのひとつひとつの描写が可愛くて、しかもコミカルに書いていて笑える。
★読みどころ2)ぶたぶたさんは何もしない
主人公は皆、なんらかの問題や悩みを抱えているが、ぶたぶたさんが解決してくれるわけではない。ただ普通に仕事をしているだけなのだが、ぶたぶたさんと接するうちに次第に癒され、自然に主人公が「自分がかわるきっかけ」を見つけ出す。

・可愛いのに続きものではないのでどこから読んでもOK。ただし第1巻だけは最初に読んだ方がいい。主人公と一緒に癒される、おすすめのシリーズ。

矢崎存美『ぶたぶた』シリーズです。
1巻から4巻は徳間文庫、5巻以降は光文社文庫から出版されています。

 
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