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木下昌輝『まむし三代記』

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★内容紹介
・まむしとは、戦国時代に美濃を平定した斎藤道三のこと。信長の正室、濃姫の父として知られる。金華山の稲葉山城(のちの岐阜城)城主。ただしタイトルは『まむし三代記』。つまり道三だけの話ではない。
・物語の始まりは1502年。まだ応仁の乱の傷も生々しい京都。両親を戦乱でなくした少年・源太が生きるために悪事を繰り返していたとき、法連坊という若い僧侶と出会う。この僧侶、ずいぶんと型破りで、美濃を自分のものにするという野望を持っていた。興味を惹かれた源太は法連坊についていく。そしてその言葉通り、法連坊は美濃の守護、土岐家でのし上がる。やがて妻をめとり、息子が生まれ、法連坊の野望は息子に受け継がれる……。

★読みどころ1)最新の研究結果が反映されている
斎藤道三といえば京の油売りから一代で成り上がったという話が有名だが、近年になって、実は道三の父と道三の二代による美濃平定だったことがわかった。その最新の研究成果を踏まえて描かれたので、解釈が新鮮。特に若き日の道三を、著者は、文学や芸術を愛する心優しき青年として描いた。それがある時を境に「まむし」と呼ばれるような男に変貌する。何があったのか。

★読みどころ2)歴史ミステリとしての面白さ
法連坊が美濃で出世したのは、「国滅ぼし」という強力な武器を持っていたから、という設定。国をまるごと滅ぼしてしまうほど恐ろしいと言われるその武器の正体は何なのか。実は序盤から伏線があるが、わかったときには「そうか!」となる。この時代の合戦は弓矢や槍だけではなく、これが出てきたんだ、と膝を打つ。

・「三代記」というからにはもう一代登場する。地元岐阜県の歴史を新解釈で味わえる一冊。

木下昌輝『まむし三代記』
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