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レミギウシュ・ムルス『あの日に消えたエヴァ』

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ポーランドのベストセラー作家による大ヒットミステリが日本初上陸

★内容紹介
・主人公はダミアンという青年。彼は恋人のエヴァにプロポーズしてOKをもらい、幸せの絶頂にいた。しかしふたりがレストランから出たとき、ならず者たちにからまれ、ダミアンとエヴァは暴力の被害に遭う。エヴァはダミアンの目の前で暴行され、その夜を境に行方がわからなくなった。拉致されたのか殺されたのか自殺か……。
・それから10年。いまだエヴァを忘れられないダミアンのもとに親友が駆け込んでくる。Facebookにアップされた野外コンサートの客席の写真にエヴァが写っていた。慌てて警察に相談にいくが取り合えってもらえない。しかも写真をあげたアカウントに問い合わせると、そのページが削除されてしまった。いったいなぜ?
・親友の提案でダミアンは探偵事務所に依頼する。ところがダミアンの周囲で殺人事件が起き、第一容疑者にされたダミアンは警察から逃げるはめに……。
・一方、依頼を受けた探偵事務所の女性調査員、カサンドラの物語が並行して語られる。カサンドラは夫の暴力に苦しんでいたが、監視されている上、幼い息子がいて逃げ出すこともできない。そんな中でも、ダミアンの依頼に対しては時間をやりくりし、ネットのチャットを介してダミアンと連絡を取り続けていたのだが……。
・エヴァの行方はわかるのか。10年の間に何があったのか。そしてカサンドラは夫の暴力に対抗することができるのか。

★読みどころ1)二転三転するサスペンスと圧倒的なサプライズ
いくつもの謎が絡み合い、読者をぐいぐい引っ張っていく。最初はエヴァを探すというだけだったのが、なぜ殺人事件がおきたのか、カサンドラの家庭の問題という別の話が並行して語られるのはなぜか、そんな状態で調査はうまくいくのか。そして終盤、たたみかけるようなサプライズがつづく。めちゃくちゃ驚くぞ。

★読みどころ2)暴力という社会的テーマ
エヴァもカサンドラも暴力の被害者。なぜ逃げないのか、なぜ抵抗しないのか、恐怖に絡めとられた女性のリアルが描かれる。

・巻末解説は大矢さんが描いています。ミステリの面白さとテーマの重さが見事に融合した作品。

レミギウシュ・ムルス『あの日に消えたエヴァ』
小学館文庫から1100円で販売中です。

 
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