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城山真一『看守の流儀』

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★内容紹介
北陸の地方都市にある刑務所で起きた事件を描く連作ミステリ
第一話)模範囚として仮釈放された受刑者が更生施設から姿を消した.
もしや仮釈放の時に渡した差出人不明の手紙のせいか?
第二話)刑務所内で印刷している大学入試の問題が漏洩。固い守りとチェックをどうやってかいくぐったのか?
第三話)受刑者の健康診断記録とレントゲンフィルムが消失。誤廃棄か盗難か?
第四話)すい臓がんで余命宣告された受刑者。刑の執行停止措置が認められれば家族のもとで死ねるのに、受刑者は頑なに拒否する。
第五話)出所したものの再犯リスクが高いとみられた受刑者を警察と刑務官で監視。すると彼は……。
★読みどころ1)刑務所内の様子と人間模様
刑務所の看守はどんな仕事をしているのか、受刑者の生活はどのようなものなのか、看守以外にどんな仕事の人がいるのか(第三話では医務室と薬剤師の存在が、第四話では受刑者が病気の受刑者の介護をする様子が語られる)などが詳しく綴られ、とても興味深い。だがその情報の興味深さよりも、さまざまな事情を抱える受刑者と看守の人間模様が読みどころ。
★読みどころ2)ミステリとしての面白さ
事件を解決に導くのは、看守の一人、火石司という刑務官。火石は早い段階で問題の芽に気づき、さりげなく解決へと誘導する。のみならず、実は五話すべてを通して、ある仕掛けがある。最後に明かされる真相にはサプライズ間違いなし。
・受刑者の更生とは何なのかを考えさせる、サプライズ満点のミステリ。

城山真一『看守の流儀』
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