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浅倉卓弥『君の名残を』

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著者の浅倉卓弥さんは2002年に『四日間の奇跡』(翌年映画化)でデビューしていらっしゃいます。
★内容紹介
2004年に出たSF歴史小説
現代の人間が過去にタイムスリップする物語。ある日、ふたりの高校生の男女と、
ひとりの中学生が落雷に遭って過去に飛ばされる。それぞれ異なる場所で目覚めた3人は、それがどこなのか、いつなのかもわからないまま、そこで暮らすことを余儀なくされる。周囲の様子や人々の会話から、学校の歴史や古文で習った情報をつなぎ合わせ、どうやら平安時代末期らしいというところまでは判明。三人はお互いがどこにいるかもわからず、それぞれひとりで状況に順応しようとするが……。
★読みどころ1)実はこの三人、平安時代末期で知り合った人々ともに
歴史の運命の渦に巻き込まれて、現代の私たちも知っている歴史上の人物になる。それが誰かは内緒だが、勘のいい人はかなり早い段階で気づけるかも。そしてその歴史上の人物になった3人は、ある歴史事件の舞台で再会する。
★読みどころ2)歴史に詳しい人も詳しくない人も楽しめる。
歴史に詳しい人なら、3人が誰なのかわかった時点でその後の運命もわかる。そういうことか、というカタルシスも大きいし、うまい工夫にも気づける。その上で、これから彼らがどんな道を通ってあの歴史事件にたどり着くのかという楽しみが味わえる。一方、歴史を知らなければ、彼らがこれからどうなるのか、純粋にわくわくして読める。かなりエキサイティングな場面がそれぞれに降りかかるので、そのたびに興奮すること間違いなし。
SFとしても歴史小説としても読み応えのある一冊。

浅倉卓弥『君の名残を』

現在は流通していないので、図書館でお借りください。
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