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額賀澪『タスキメシ』&『タスキメシ箱根』

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★内容紹介
「タヌキメシ」(文庫本)
主人公は高校生で陸上部員の真家早馬(まいえ・そうま)。将来は推薦で大学に進み箱根駅伝も目指せるランナーだったが、膝のケガで長期の離脱を余儀無くされる。リハビリで休部中、彼は調理実習部の女子生徒と知り合い、料理に興味を持つ。彼の弟は同じ陸上部に所属し、自分より才能があるのに、好き嫌いが多い。料理で弟の偏食を治せないか……と学んでいくうちに、ランナーがダメでも、スポーツ栄養学で陸上にかかわっていけるのではと思いつく。はたして彼は陸上をあきらめてしまうのか?
「タヌキメシ箱根」(続編)
続編はそれから七年後。大学を出て病院で管理栄養士として働く早馬は、もういちどスポーツ栄養学を学ぶため大学院に入り直す。するとその大学の駅伝部の監督から、コーチ兼管理栄養士就任の依頼が。この大学の駅伝部は箱根の駅伝を突破したことがない上、寮の調理担当者がケガで休職してしまい、部員が持ち回りで食事を作っていたため、栄養も生活もめちゃくちゃだった。早馬は寮の食生活を立て直すとともに、どうせ自分たちには箱根は無理だと思っている選手たちを、少しずつ変えていく。果たして彼らは箱根に出られるのか?
★読みどころ1)料理の描写
とにかく全編を通していろんな料理が出てきて、それが実に美味しそう。作り方も具体的なのですぐに試せるし、何より1巻では「偏食を直す」、続編では「運動選手の食事」という目的がはっきりしているのが参考になる。
★読みどころ2)挫折したあと、人はどうするかというテーマ。
続編の方に、早馬の印象的なセリフがある。「努力は、裏切る。ここぞってところで裏切る。裏切られたお前は、ここからどうする?」どんなに努力しても負けるときは負けるしケガをするときもある。問題はそのあとどうするか。1巻も続編も、その同じテーマを描いている。
★読みどころ3)文庫解説があの人!
1巻の巻末に文庫解説をが、箱根駅伝のレジェンド山の神、柏原竜二さん。
お正月の箱根駅伝の前に読んでおきたい二冊です。

額賀澪『タスキメシ』と『タスキメシ箱根』
『タスキメシ』は小学館文庫から825円で、
『タスキメシ箱根』は小学館から1650円でそれぞれ販売中です。

 
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