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宮田珠己『いい感じの石ころを拾いに』

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★内容紹介
・宮田さんは旅行記や紀行エッセイを多く書いている作家。全国のジェットコースター巡りや、変わった構造の温泉旅館巡りなど、ややマニアックな旅に面白みを見つける名人。
・本書もマニアック。全国の河原や海岸にただ「いい感じの石」を拾いに行く本。
・もともと宮田さんは石がなんとなく好きで、これまでも旅の途中で、なんとなくいいなと思った石をなんとなく拾って持ち帰ったりしていた。といっても地質に興味があるわけでもなく、石の分類や名前などにも興味はない。旅の記念品という強い思い入れがあるわけでもなく、ただ「いいな」と思った石を 気がつけば拾っていた。だったらそれを目的にした旅をしてみよう、と思った。
・この本では、新潟や静岡、伊豆、北九州、大阪、北海道など、ここはいい石が拾えるらしいという評判を聞いて、石を拾いに行く様子が綴られる。そしてそういう場所にはやっぱり石拾いが好きな人がいて、出会いがあり、そういう人へのインタビューなども収録されている他、拾った石のカラー写真も掲載。
★読みどころ1)「いい感じ」の奥深さ
宮田さんが探す石は、宝石でもパワーストーンでも鉱物の結晶でもなく、市場価値はまったくない。見て、触って、色がきれいだったり模様が面白かったり、すべすべしてたりして、「これ、なんかいいな、好きだな」と思ったもの。拾っては「違う」と思ったら捨て、を繰り返すうちに、みんな次第に無心になるという。何が「いい感じ」かは人によって違うが、世間の価値ではなく、自分だけのセンスでものを見るという機会が減ってきている中、とてもぜいたくな時間を過ごしている。
★読みどころ2)石が好きな多くの人の話
マニアックな趣味を持っている人の話というのはそれだけで面白いが、石好きもバラエティに富んでいる。学者のように地質を研究する人もいれば、「何かに見える石を集めている」という人、この石はどこからどんな旅をしてここに来たのかを想像する人など様々。話を読んでいると石の魅力がだんだんわかってくる。
・なんとなく「いい感じの石」を拾いに行きたくなる一冊。

宮田珠己『いい感じの石ころを拾いに』
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