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相沢沙呼『medium霊媒探偵・城塚翡翠』

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★内容紹介
・物語の語り手は、ミステリ作家の香月(こうげつ)史郎。これまで警察に頼まれて難事件解決の手伝いをして来た名探偵でもある。そんな香月がある日出会ったのが、霊媒師だという若い女性・城塚翡翠。はじめは胡散臭さを感じていた香月だが、その霊感を見せられ、本物だと確信。香月と翡翠はコンビを組んで、小説家殺人事件や女子高生連続殺人事件など難事件を解決していく連作短編集。
・短編集ではあるが、全体を通した事件もある。若い女性が連続して殺されるというもので、犯人はまったく手がかりを残さない。その犯人のモノローグと事件の様子が、短編の合間で語られる。
★読みどころ1)霊媒探偵は完璧ではない
霊感があるとはいっても、すべてがわかるわけではない。被害者の霊を呼ぶのは亡くなった場所じゃないとできないので、殺害現場が特定されないと霊視できない。また、その人の持っている匂いで恐怖心や罪悪感を感じとるというタイプの能力なので、人を殺しても罪悪感も恐怖も感じていない犯人はわからない。完全ではない霊能力で、部分的にわかった手がかりをつなぎ合わせて香月が推理する。また、犯人は霊視できても、方法や動機はわからないこともあるので、霊視は証拠にならない。それをいかに証拠として探すかも読みどころ。
★読みどころ2)でも、それだけじゃない!
正直、ここまではそれほど珍しくないオカルトミステリ。でもここからが!何も言えないけどここからが!終盤になって、掛け値無しに驚きの展開がある。ミステリの魅力であるどんでん返しや、伏線の上手さ、意外性がすべて詰まった今年最もびっくりの一冊。最初は普通だなと思うかもしれないが、そうじゃない!
読み終わったとき、絶対に「やられた!」と思う一冊。

相沢沙呼『medium霊媒探偵・城塚翡翠』
講談社から1870円で販売中です。

 
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