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スチュアート・タートン『イヴリン嬢は七回殺される』

★内容紹介
超絶設定のSFミステリです。
・舞台は少し前のイギリス、森の中のお屋敷。大勢の客を招いて仮面舞踏会が行われる。ところがその夜11時、その屋敷の娘イヴリンが殺される。犯人は誰か──という話だが、ここに二種類のSF設定が使われている。
・ひとつめは「タイムリープ」。同じ日を何度も繰り返す、というもの。殺人事件の謎を解く男性は、この1日を8回繰り返す。なんとかイヴリンが死ぬのを阻止しようとするが、やはり殺され、次の繰り返しでは他の方法をとろうとするが、やはり殺され……全部で8回の繰り返しのうちに、主人公はこの殺人を止めることができるのか?
・もうひとつは「人格転移」。他人の体の中に自分の意識が入ってしまう、というもの。イヴリン殺しを止めようとする主人公は、8回のリープで毎回違う人の中にはいる。招待客だったり使用人だったり家族だったり。その都度、新しい発見があってイヴリン殺しの真相に迫っていく。
★読みどころ1)SF設定の面白さ
八人の中に入って1日を繰り返す「僕」が誰なのかわからない。まったくの記憶喪失の状態で1日目が始まるため、最初は何が起こっているのか,自分が誰なのか、ここがどこなのかもわからず、おろおろしてる間に1日目が終わってしまう。そこから回数を重ねるうちに、少しずつ要領を掴んでいく。彼が中に入ったとき、もともとの人格も残っているので、知性的な人物の中に入ったときは推理が進み、乱暴者の中に入ったときにはトラブルを起こしてしまい、それが次の手がかりになるなど,細かい構成がとてもよく練られている。
★読みどころ2)ミステリの面白さ
意外な真相・意外な犯人はもちろんだが、「この世界は何なんだ」という疑問も最後に解決される。
初日や2日目は何がなんだかわからない主人公だが、すべてわかったあとで再読すると、彼が見たものや体験したことの意味がとてもよくわかる。再読にも醍醐味がある一冊。
スチュアート・タートン『イヴリン嬢は七回殺される』
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