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青柳碧人 『むかしむかしあるところに、死体がありました』

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★内容紹介
・日本の昔話をパロディにした本格ミステリの短編集。

・「一寸法師」
殺人事件が起き、一寸法師に疑いがかかる。
だがその時間、一寸法師は鬼の腹の中にいたという鉄壁のアリバイが!

・「花咲か爺さん」
枯れ木に花を咲かせて一躍ヒーローになったおじいさん。
ところが翌朝、おじいさんが死体で発見された。その手にはなぜかペンペン草が……。
ダイイングメッセージの謎を、二代目飼い犬のジロが解き明かす。

・「鶴の恩返し」
弥兵衛のところに、つうという女性が恩返しに来た。
彼が助けた鶴だという。だがこのとき、弥兵衛は借金を取りに来た
村の庄屋を殺したばかり。慌てて奥の部屋に死体を隠すが……。

・「浦島太郎」
竜宮城の一室で、伊勢海老のおいせが殺された。
だがその部屋は密室で出入りできない。浦島太郎がそのトリックを暴く。

・「桃太郎」
桃太郎の襲撃から数十年後の鬼ヶ島。生き残った鬼の
子孫の13頭の鬼が暮らすこの島で、鬼たちが一頭、また一頭と殺されていく。
最後に残ったのは誰? そしてその動機は?

★読みどころ(1)どれももともとの昔話の設定を実に上手く使ってある。
普通のミステリなら不可能なトリックでも、この昔話の世界なら成立したり、
もともとの昔話に出てくるエピソードが伏線になっていたり。
特に素晴らしいのが「鶴の恩返し」主人公が実は殺人犯だったということ以外は
もとの昔話のまま進んでいく。が、最後まで読むと驚きの仕掛けがあり、
その仕掛けを知ってもう一度読むと、最初とはまったく違う物語になる。

★読みどころ(2)あらゆるタイプのミステリが網羅されている。
アリバイ、密室、ダイイングメッセージ、犯人視点、閉鎖空間での殺人など、
一話ごとに違ったタイプのミステリが楽しめる。

誰でも知っている昔話を、設定はそのままにミステリとして再構築した、とても楽しい一冊。

青柳碧人『むかしむかしあるところに、死体がありました』
双葉社から1404円で販売中です。
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