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平成30年間のベストセラーを振り返る

2019年04月25日(木)

カルチャー
まずは平成30年間のベストセラーを振り返りますが、
みなさんベスト3って覚えていますか?

平成のベストセラー第3位は?
2003年、平成15年、養老孟司さんの『バカの壁』440万部です。
 人と人がわかりあおうとするとき、それを妨げるものを「バカの壁」と命名。
 コミュニケーションをうまくとれない人、メディアの情報を鵜呑みにして
 わかったつもりでいる人、自分が理解されずイライラする人などの心理を解説。
 これは日本の戦後ベストセラー第4位。

平成のベストセラー第2位は?
1998年、平成10年、乙武洋匡さんの『五体不満足』480万部です。
 先天性四肢切断の障害を持つ著者の生活体験を綴ったノンフィクション。
 著者の聡明で朗らかなキャラクターと相まって大ベストセラーに。
 日本の戦後ベストセラー第3位。

平成のベストセラー第1位は?
1999年、平成11年、J..ローリング『ハリー・ポッターと賢者の石』
510万部です。
 魔法使いの血を引く少年が魔法学校に入り、仲間と一緒に冒険や戦いを通して
 成長する物語のシリーズ第1作。
 シリーズは全7巻で、トータルで2200万部を突破。全世界では2億部を
 突破し、史上最も読まれたシリーズ作品となった。
 日本版の第一作単体では、戦後のベストセラー第2位です。

ちなみに戦後のベストセラー第1位は?
(ヒント:580万部を売り上げた、昭和のアレ。)

★本から見た平成を振り返る!
1)自己啓発本のヒット
21世紀最初のベストセラーは、『チーズはどこに消えた』 
状況の変化にいかに対応するかを寓話的に書いたこの本はビジネスマンの支持を集めました。
他に『話を聞かない男、地図の読めない女』『頭がいい人、悪い人の話し方』など、
実用的な自己啓発本が人気に。
最近では『置かれた場所に咲きなさい』といった年配者向けの啓発本もヒット。

2)文筆家以外の著者による本のヒット
又吉直樹『火花』やリリー・フランキー『東京タワー』は文芸書として
芥川賞や本屋大賞を受賞し、今や作家として知られるが、
他に芸人の田村裕さん『ホームレス中学生』、松本人志さん『遺書』、
弁護士の大平光代さん『だから、あなたも生き抜いて』
(非行や犯罪に走った若い時代から弁護士になるまでを綴った自伝)、
漫画家のさくらももこさんのエッセイ『もものかんづめ』、
乙武洋匡さんの『五体不満足』など、作家以外の作品が目立つ。
ちなみに昭和のタレント本は……、

3)ケータイ小説のブーム
2000年台前半に、yoshiさん『Deep love』や美嘉さん『恋空』など、
ケータイで読める小説が若者を中心に人気が出て、書籍化されるとミリオンセラーを連発。
このブームは数年で収束したが、その後、自分の書いた小説をネットで発表できるサイトが
複数誕生し(オンライン小説)、
現在、そこから出てきた作家がプロとして活躍を始めている。
代表格は、住野よる『きみの膵臓を食べたい』。
もしかして令和のベストセラーは、紙の本ではなくなっているかも?

そんな平成の本の世界の流れでした。

 
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