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瀬尾まいこ『そして、バトンは渡された』

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★2019年本屋大賞受賞作
書店員の投票で決まる賞で、一次投票には623人の書店員が参加、
その上位10作を候補作として二次投票(371人)が行われた。
2位以下にかなりの大差での大賞受賞。

★内容紹介
・主人公は17歳の高校生、森宮優子。
物語の最初場面は、担任の教師が優子に「何か悩みはないか」「なんでも相談してくれ」
と言っている場面。
なぜかというと優子の家族が複雑だから。優子は17年の間に家族の形が7度変わり、
苗字も4度変わっている。
生みの母親が三歳の時交通事故で亡くなったあと父親が再婚、
小学校五年のとき父親が海外赴任になり、
ついて行くのを拒んで父の再婚相手と暮らすことに。
この義理の母が離婚再婚離婚再婚離婚、
現在は、37歳の義理の父親と優子のふたり暮らし。
・そんな事情なので教師は心配するが、実は優子には特に悩みはない。
 今の父親の森宮さんは、いい父親になろうとして空回りすることも多いけれど
 そういう部分も含めて、特に不満もなく問題もなく楽しく暮らしている。
・物語はここから、優子の現在と過去の回想が交互に語られる。

★読みどころ さまざまな家族の形
 これまで優子には通算で父親3人と母親2人がいたが、タイプは違うがみんないい人。
 血が繋がらないゆえに、ぎこちないことや手探りの部分もあるが、
 みんなそれぞれ優子の親になろうとし、協力して家族になってきた。
 家族の形に「こうでなくてはならない」という決まりはない。
 血が繋がっているかどうかも、実は些細なこと。家族として一緒に進んでいこう、
 という思いと、互いを大事に思う気持ちがあれば、それはまぎれもなく家族。

・読み終わるととても幸せな気持ちになる。家族はもちろん、出会った人との
 縁を大事にして、平凡な毎日を積み重ねていくことが幸せなんだなと思わせてくれる一冊。

瀬尾まいこさんの『そして、バトンは渡された』
文藝春秋から1728円で販売中です。

 
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