多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

P・G・ウッドハウス『ジーヴズの事件簿』

[この番組の画像一覧を見る]

20日に皇后陛下・美智子様がお誕生日を迎えられ、
お言葉の中で退位後に読むのを楽しみにしている小説について
「読み出すとつい夢中になるため、これまでできるだけ避けていた探偵小説も
もう安心して手元に置けます。ジーヴスも2、3冊待機しています」と語られた。
(文春文庫版のみ「ジーヴズ」表記ですが一般には「ジーヴス」で知られています)

★内容紹介
・ジーヴスというのは、イギリスの有名なユーモア小説の登場人物の名前。
物語の主人公はバーティという少々間抜けな青年貴族で、彼の従僕がジーヴス。
ジーヴスは従僕としてとても有能で、バーティが巻き込まれた厄介ごとや事件を、
鮮やかに解決する。残虐な殺人事件などは登場せず、しゃれてて小粋な、
ウィットに富んだ品のいいユーモア小説で、世界中にファンがいる。
イギリスではずっとシャーロック・ホームズと並ぶ人気があるシリーズ

★作家ウッドハウスとシーヴスシリーズについて
・作者のウッドハウスは1881年生まれ、1975年没。
 ジーヴスシリーズは長編短編合わせて膨大な数があり、第一作が書かれたのは
 第一次世界大戦中の1917年。最後の作品は1974年の刊行で、
 二度の世界大戦を挟んで57年にわたって書き続けられた。
 日本では国書刊行会から単行本で14巻にまとめられているが、
 その中から短編を抜粋した文庫が文春文庫から2冊出ているので、
 そちらから試すのがいいかと。

・読みどころ:イギリスの階級社会を舞台にした上品な皮肉とユーモア
間抜けな主人と有能な家来、という構図はイギリスの文学にはけっこう多い。
イギリスは階級社会で、上流階級と労働者階級がはっきり分かれていた。
その中で、上流階級のバーディが労働者階級のジーヴスに体良くあしらわれるという
皮肉な構図が、イギリスならではのユーモアを生んでいる。

日本の小説ではちょっと味わえないタイプの読みごごちのシリーズ。
F・G・ウッドハウス『ジーヴズの事件簿』
「大胆不敵の巻」が616円、
「才知縦横の巻」が637円でそれぞれ文春文庫から販売中です。

 
関連記事

あなたにオススメ

番組最新情報