多田しげおの気分爽快!!~朝からP・O・N

葉室麟『蝶のゆくへ』

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朝PON5000回記念の前日ということで
5000に関わるといえば5000円札の樋口一葉。
そこで樋口一葉に関わる本を・・・
★内容紹介
・舞台は明治時代、主人公はパンやカレーで有名な新宿中村屋の創業者である、
 女性実業家の相馬りょう。
 宮城県出身の彼女の、女学校時代から晩年までの人生を綴りながら、
 彼女が出会った明治の女性たちをオムニバスのような形で描いたもの。

・登場するのは、勝海舟の息子の妻であるクララ・ホイットニー、
 日本にチェーホフを紹介したロシア語翻訳家の瀬沼夏菜、
 女性だけでなく島崎藤村や北村透谷など、明治の文人・芸術家たち。
 その中に、樋口一葉がいた。

・樋口一葉は明治5年生まれ。小さい頃から学問がとてもよくできたが、
 父や兄がなくなり、17歳で一家を養わなくてはならなくなる。
 内職のようなこともしたが生活は苦しく、小説に挑戦。
 20歳から執筆を始め、「たけくらべ」「にごりえ」などの代表作を生み出すが
 肺結核のため24歳で死去。今も残る一葉の作品は、ほんと1年半の間に書かれたもの。
 近代以降では、初の女性職業作家。

・樋口一葉は美人で有名で、生活の面倒を見たいという男性もいたが、
 その世話になるのを断り、貧乏なまま亡くなった。
 生活よりもプライドをとった生き方が描かれている。

・江戸時代から明治時代になって、女性たちにも教育や職業選択の門戸が開かれた。
けれどそこには激しい抵抗や差別、先入観などがあり、
本書にはそれと戦うさまざまな女性たちが描かれている。

時代が変わって心のままに生きられるようになったはずなのに、
いざそうしようとすると批判された明治の女性たちの戦いは、今の時代にも通じる物語。

葉室麟『蝶のゆくへ』
集英社から1836円で販売中です。

 
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