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田中芳樹『新・水滸後伝』(上下巻)

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「水滸伝」という、明の時代(15世紀)に書かれた中国の小説があります。
108人の個性的な英雄が「梁山泊」という場所に集い、腐敗した政治家たちを
やっつけて世直しをするというもの。
「水滸伝」は中国でも日本でも大人気だが、ハッピーエンドではない。
そこで当時の中国のファンが、勝手に続きを書いた。その中で陳忱(ちんしん)が書いた
「水滸後伝」が人気を呼び、今でも読み継がれている。
この『新・水滸後伝』は、その陳忱の「水滸後伝」をベースに、より読みやすく
よりスピーディに、よりエキサイティングに、田中芳樹さんが翻案したもの。

★内容紹介
物語は、梁山泊の生き残りが、梁山泊跡地で仲間たちを偲んでいたところを
横暴な役人に邪魔され、はずみで殺してしまう場面から始まる。
彼は逃走するが、その途中で運命のいたずらで梁山泊の生き残りたちと再会し、
自分たちの新たな国を作ろうとするが、次々と敵が現れる、というもの。

★読みどころ
(1)原典へのリスペクト
もともとの「水滸伝」の世界観やキャラクターイメージを一切損なっていないので
原典のファンが読んでもストレスがない。

(2)こういう続編が読みたかった、という展開
多くの英雄が原典では死んでいるが、その息子たちを登場させて活躍させたり、
中国を出て海を渡るという、原典よりスケールの大きな物語になっている。
特に、梁山泊のメンバーがそれぞれの得意分野で戦うアクションシーンと、
逆転また逆転の手に汗握る展開は読み出したら止まらない。

(3)これを先に読んでも大丈夫
「水滸伝」を知らなくても、こっちを先に読めば「水滸伝」を読みたくなる。

「水滸伝」ファンだけでなく、多くの人に読んでほしい作品。

田中芳樹『新・水滸後伝』(上下巻)
講談社から上下巻それぞれ1728円で販売中です。
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