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島本理生『ファーストラヴ』

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今回の第159回直木賞は、島本理生さんの『ファーストラヴ』が受賞しました。
リスナーのみなさんにも予想では
大矢さん予想の湊かなえ(みなと・かなえ)さんの『未来』1番人気!
木下昌輝(きのした・まさき)さんの『宇喜多の楽土(らくど)』が2番人気でした。

★島本理生さん
 1983年生まれ、2001年に群像新人文学賞という純文学の賞を受賞してデビュー。
 純文学を中心に執筆を続け、芥川賞候補に4回なっている。
 2010
年の『ナラタージュ』は本屋大賞6位、昨年は映画化もされた。
 最近はエンタメにシフトし、2度目の直木賞ノミネートで受賞。

★内容紹介
 ・主人公は臨床心理士の女性、真壁由紀。彼女は出版社からの依頼で、
  殺人事件の犯人として逮捕された女子大生・聖山環菜について本を書くことになる。
  環菜は女子アナ志望で、面接の二次試験の最中に早退、そのまま父親の勤務先に行って
  父を刺し殺す。その後、歩いていたところを通報され、逮捕。
  しかし動機については「自分でもわからない」という。
 ・由紀は面会した彼女の言動に危ういものを感じ、
  担当の弁護士である義理の弟と一緒に、
環菜の母親や親友、元恋人などと面談。
  ところが、ことごとく環菜の話と食い違う。環菜の話も、ふらふらと一定しない。
  その食い違う証言から、由紀は真相に近づいていく。


★読みどころ
真相はどこか、というミステリとしても読ませるが、これは家族の物語。
外からは見えない家族の中の、とある暴力がテーマ。
人は、暴力を受けても、それが暴力だと気づかないまま傷を負うことがあるし、
偽物の救いにすがってしまうこともある。
自分で自分の傷に気づいてないことが
生む悲劇と、自分の内面を見つめることの大事さを描いた作品。

島本理生(しまもと・りお)さんの『ファーストラヴ』
文芸春秋からは1728円で販売中

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