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池井戸潤『空飛ぶタイヤ』

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★内容紹介
・運送会社のトラックから走行中にタイヤが脱落し、歩行者を直撃して死なせてしまう
  という事故が発生。整備不良が原因とされ、運送会社は倒産の危機に。
・だが同様の事故が他にも起きていることを知った運送会社の社長は整備不良ではなく、
  もともと構造的欠陥があり、自動車メーカーがそれを隠そうとしているのではないかと
  考え、
会社を守るために大企業に戦いを挑む。
・一方、その自動車メーカーの社員や、銀行の融資担当者もリコール隠しの噂を聞いて、
 組織の中で戦っていく群像劇でもある。

★読みどころ
(1)現在の池井戸潤の出発点となった記念碑的作品
   池井戸潤といえば映像化作品も多く、中小企業が大企業に戦いを挑む
    『下町ロケット』『陸王』、組織の中で戦う「半沢直樹」『鉄の骨』などがある。
     本書もそのパターンと思いがちだが、実はそれまで金融ミステリばかり
     書いてきた著者が初めて他の企業を舞台にして、
     社会正義のために戦う人を描いた最初の作品。

(2)映画では味わえない原作の面白さ
   池井戸作品にドラマ化が多いのは、逆転につぐ逆転という構造なので
      連ドラに
向いているから。
      ところが今回、初めての映画化ということで、カットされたエピソードがある。
     それは……
     映画を見ると満足してしまいがちだが、映画には登場しない場面も
     かなり面白いのでぜひこの機会に原作を読んでほしい。


池井戸潤『空飛ぶタイヤ』実業之日本社文庫からは1080円で、
講談社文庫からは上下巻に分かれてそれぞれ745円で販売中です。
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