名古屋おもてなし武将隊® 戦国音絵巻

徳川家康が教示!夫にダイエットさせる方法

400年前より現代に蘇りし戦国武将の集団・名古屋おもてなし武将隊(R)が、ラジオ界の天下一を目指す番組『戦国音絵巻』。
11/月16日の”出陣”は、徳川家康、前田利家、陣笠隊の足軽・惣平(そうべい)です。

今回の週替わり企画は「イエス!家康、聞きに行く」が行われました。
天下人である家康が、身分の違いを気にせず庶民の声に耳を傾け、悩みやトラブル・愚痴などを聞き入れて、対処法を伝授するというもの。

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働かない、言うこと聞かない

今回もえまき~(戦国音絵巻リスナー)からの矢文(メール)がたくさん届きました。
この企画では、ある決まった段取りで矢文が紹介されていきます。

惣平「それでは家康様。早速えまき~の相談に乗っていただきたいのですが、聞いていただけますか?」

家康「イエス!」

惣平「ありがとうござりまする。では読み上げて参りまする。A様より。

『一緒に働いている後輩が、仕事をせずにケータイで、一人暮しをするための物件を探してばかりいるんです。
他に、決まった事を貼り紙にして出しても、リーダーが言ってもやってくれないのです。言えば返事はするんですが…。こういう場合はどうしたらいいですか?』

家康様、こういった矢文が来ていますが、いかがいたしましょう?」

家康「裁きを申し渡す!
世が世ならば、首が飛ぶぞ?」
 

昔なら首が“斬”られる

惣平「こ、これは一体どういうことでございましょうか?」

家康「これはのう、そのように伝えてやれば良いということじゃ。上の者をないがしろにするのは良くない。さりながら、そのまま直接現世の言葉で伝えてしまうと角が立つ。
ゆえに、あえて400年前の表現を用いて『世が世ならば首が飛ぶぞ?』と。要はクビを切られるぞと揶揄(やゆ)するわけじゃ」

利家「それにしてはなあ、ちと物騒過ぎるような感じもしなくもにゃあけれども…」

家康「これにて一件落着!」

利家「おお、儂(わし)の言葉が切られる…」

利家が上手くオチをつけました。落着だけに。
 

一石二鳥の解決策

惣平「ありがとうござりまする。それでは家康様。続いてのえまき~の相談に乗っていただきたいのですが、聞いていただけますか?」

家康「イエス!」

惣平「ありがとうござりまする。では読み上げて参りまする」

このお決まりの流れは、この企画独特の様式美として受け取ってください。
「まどろっこしい、時間のムダ」と言うのは野暮というものです。

惣平「B様より。

『そろそろ寒くなってきたので、冬用のあったかいスリッパを探しているのですが、もう一週間探し続けても見つかりません。どうしたらいいでしょう?』

家康様、こういった矢文が来ていますが、いかがいたしましょう?」

家康「裁きを申し渡す!Bよ。早めの大掃除を開始せよ!」

惣平「こ、これは一体どういうことでございましょうか?」

家康「冬用の物が見つからんのじゃろ?そして師走は忙しくなる。ゆえに、この2つを抱き合わせて早めの大掃除といたせ。さすれば必ず見つかるじゃろ」

更に今のうち大掃除をすれば、12月はゆっくり過ごすことができるというわけです。
さすが家康、こんな合理的な考えができるからこそ、天下統一ができたのですね。
 

夫にダイエットさせたい

惣平「それでは家康様。続いてのえまき~の相談に乗っていただきたいのですが、聞いていただけますか?」

家康「んー…どういたそうかのう…」

利家「な、何で悩むんじゃろ?スッと(答えればええではないか)」

家康「イエス!」

じらす家康。様式美にちょっと遊びを取り入れてみました。

惣平「ありがとうござりまする。では読み上げて参りまする。C様より。

『夫が、自分はちょいポチャなだけで太ってはいない、と言い張ってダイエットしてくれません。高血圧なので心配です。どうしたら良いでしょう?』

家康様、こういった矢文が来ていますが、いかがいたしましょう?」

家康「裁きを申し渡す!歌を歌え」

戦国ドラマでよく見るやつ

これは一体どういうことでしょう?歌って気を紛らわせろとでも言うのでしょうか?

家康「(言うことを聞いてくれぬのなら)歌に乗せてその気持ちを伝えよ。例えば、このようにじゃ!」

そう言い放って歌い始めたのが、こちらです。

「思へば~この世はぁ~、常のちょいポチャにあらずぅ~
人間五十年~、化天(げてん)のうちを~比ぶればぁ~、ちょいポチャにあらぁずぅ~
一度生を享(う)け~、ちょいポチャあるべきかぁ~、ちょいポチャ~あ~るべ~き~かぁ~」

いきなり謎の歌を吟じる家康に、利家は驚き戸惑います。しかし実はこれ、利家にとっても関わりの深い歌なのです。

室町時代に幸若舞(こうわかまい)という、語りと踊りが融合した芸能が武家の間で流行しました。
その中でも「敦盛(あつもり)」という演目を好んでいたのが、利家の主君である織田信長なのでした。

源平合戦で、16歳の若さで戦死した平敦盛と、彼を討ち取った熊谷直実(くまがいなおざね)の苦悩を描いたのが「敦盛」。後に直実は出家して世をはかなむようになります。

その一節がこちらです。

「思へばこの世は常の住み家にあらず
(中略)人間五十年、化天のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり
一度生を享け、滅せぬもののあるべきか(後略)」
 

あつもり!

意味をざっくり説明すると、「人の世の50年の歳月は、天上界ではわずか1日にしかあたらない、夢幻のようなもの」となります。
信長はこの部分を気に入り、よく謡(うた)い舞っていたと言われています。

それにならって家康が替え歌にしたのですが、よく見ると、

「この世は常にちょいポチャではない。人の世の50年はちょいポチャではない。生を受けたならちょいポチャでいて良いのか?」

というよくわからない意味になってしまっており、余計に伝わりづらいことになりそうです。

ただ、いきなり妻がこんな謎ソングを歌い出したら、夫も焦って妻の言うことを聞き、ダイエットするようになるかもしれません。
そこまで考えての答えなら、さすが家康。ファインプレイの“熱盛”ですね。
(岡戸孝宏)
 
名古屋おもてなし武将隊® 戦国音絵巻
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2020年11月16日21時29分~抜粋

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