名古屋おもてなし武将隊® 戦国音絵巻

M-1があるのは徳川家康のおかげ!?

400年前より現代に蘇りし戦国武将の集団・名古屋おもてなし武将隊が、ラジオ界の天下一を目指す番組『戦国音絵巻』。
12月23日の"出陣"は、豊臣秀吉徳川家康、陣笠隊の足軽・踊舞(とうま)です。

毎年恒例の漫才日本一決定トーナメント『M-1グランプリ2019』(テレビ朝日系)が、前日に放送されました。
実は今回、『戦国音絵巻』にとって非常に因縁めいた大会となったのでした。

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単なる便乗ではありません

現代の言葉を戦国時代風に言い換える「武士語変換」。『戦国音絵巻』には欠かせない恒例企画となっています。

出陣した3名の武将隊メンバーがそれぞれ、出題されたテーマを“武士語”に変換し、LINEのアンケート機能を使ってリスナーに投票してもらい、見事1位になった言葉にはMBG(最も素晴らしい・武士・語)の称号が与えられるというもの。

して、この日のお題は「コーンフレーク」。
そう、M-1で優勝したコンビ「ミルクボーイ」が漫才のネタの中にたっぷり盛り込んだ言葉です。その結果大爆笑をかっさらい、ミルクボーイは番組史上最高得点を叩き出したのでした。
おかげで翌朝、食べたくなった視聴者が押しかけ、店頭からコーンフレークが消えたとまで言われるほど。

この勢いに乗っかるように、コーンフレークのメーカーはもちろん、2本目のネタで「モナカ」が使われたために和菓子屋さんまで盛り上がり、食品界にムーブメントが巻き起こっているのでした。

ここで、名古屋おもてなし武将隊もミルクボーイに便乗して、ブームの恩恵にあずかろうということで「コーンフレーク」を武士語変換のお題にしたのでしょう…と思われるかもしれませんが、実はもっと深い理由があるのです。

夢の歴史コラボ?

今回のM-1ファイナリストに「すゑひろがりず」というコンビがいます。彼らは能や狂言などの古典芸能を取り入れた、和風のネタが売りです。
会話も中世の言葉をモチーフにしたもので、例えば「お前は誰だ?」を「お主は誰(た)そ?」、「サッポロポテト バーベキュー味」を「蝦夷芋(えぞいも) 焚き火飯味」と言い換えています。

つまり、武士語変換と丸っきり同じコンセプト。
すゑひろがりず、武将隊両者とも、昔の言葉使いのまま現代に生きており、まさに似た者同士です。

そこで、話題となった「コーンフレーク」をすゑひろがりずより先に変換することで、巡りめぐっていつしかコラボなどができれば面白いんじゃないかと、『戦国音絵巻』スタッフが思ったとか思わなかったとか。

M-1のルーツは徳川家康!?

M-1にこだわる理由はまだあります。

漫才。これも実は、武将と大いに関係があるのです。
家康が語ります。

「そもそも、儂(わし)・徳川家康が江戸城にて、万歳(まんざい)を行った。これが今の愛知県の尾張万歳・三河万歳。
これが後に武家の式学(儀式用に用いられる芸能)となり、全国の大名が真似をいたした」

元々は新年の祝福芸だった万歳。発祥の地・三河生まれの徳川家がこれを優遇し、江戸城や大名屋敷で披露させ、発展していきました。

その後、祝福芸に娯楽性などが融合され万歳は形を変えていきながら、近畿地方を中心に発達。
そして時を経て昭和の初め、吉本興業が「漫才」という表記を生み出し、現在へと繋がってきたのでした。

「漫才とは、儂が広めたものである!」と家康が豪語するのも無理はありません。

さらに言うと、名古屋市のシンボルマークは“末広がり”の「八」。これは元々、尾張徳川家が使っていたものがそのまま用いられたと言われています。
すゑひろがりずも「8位」という結果になりました。

このように、M-1と名古屋おもてなし武将隊は密接な関係があると言っても過言ではない…と言えなくもありません。

M-1王者は牛乳坊主

それでは、各々の武士語を発表してもらいましょう。

「儂・徳川家康がコーンフレークを武士語変換いたすと!
『もろこしあられ 牛乳坊主仕立て』」

モロコシを品種改良したものがトウモロコシ。厳密に言えば両者は別の穀物ですが、この場合の「もろこし」はトウモロコシを指していると捉えてください。
それがあられ菓子のようになっているということですね。

そして、ミルクボーイがネタに使ったということで「牛乳坊主仕立て」という言葉を付けました。何だかシャレた料理名みたいになりましたが、そこはご愛敬。

ちなみに、牛乳は日本でも古墳時代から存在しており、平安時代辺りまでは貴族の間で重宝がられていました。
ただ戦国時代には「飲むと牛になる」という迷信が広まって、忌み嫌う人が多かったようですが、かの織田信長は「本当に牛になるかどうか試してやる」と言って飲んだ、という逸話もあります。

わざと噛んでもウケません

続いては秀吉が発表します。
秀吉は一般の民衆から天下人へとのしあがったため、民のことを大事にするという思いを込めて、武士語変換では常に「民の」を付けることにしています。

「儂・豊臣秀吉がコーンフレークを武士語変換すると!
『民の とうもころしふりかけ』」

とうも“ころ”し?
とうもろこし、ではなくて?

そう、これは言い間違いではありません。

秀吉「漫才というのは、面白いことを言うものじゃろ?だから儂は、とうもろこしと普通に言うより『とうもころし』と言った方が、皆が笑ってくれると思って、最高級の笑顔(になれるもの)を用意したわけなんじゃ」

家康「秀吉殿、周りを見渡してくださりませ。普段はゲラ(笑い上戸)である軍師の面々(ディレクターやスタッフ)が、クスリとも…」

秀吉「表情筋を動かせっ!どうした、表情筋がつったのかな?」
踊舞「皆、目を背けておりまする」
秀吉「からくり(スマホ)を触るな!置け!儂を見よ!」
家康「軍師、1人もこっちを見とらん(苦笑)。これは初めての事態でござる!」

単に滑ったというレベルではありません。無です。無の境地にさせたのです。

そもそも「とうもころし」は、アニメ映画『となりのトトロ』で4歳のメイちゃんが発したように、舌足らずの小さい子どもが言うことで微笑ましくなる言葉です。
おそらく、400歳を超えた秀吉がウケ狙いで言うものではないのでしょう。

実は一番武士語っぽい

最後は踊舞です。

「拙者・踊舞がコーンフレークを武士語変換いたすと!
『練り乾飯 乳粥仕立て』(ねりほしい ちちがゆじたて)」

乾飯というのは、固めに炊いた米を天日干しにしたもの。水で戻せばすぐ食べられるので、戦の時の携行食として持っていたそうです。

コーンフレークは、トウモロコシの粉を練って成型したもの。それにミルクをかけてお粥のようにして食べるということで、このような武士語となりました。

ネタのテンポがちょっとアレかも

さて、各自の武士語が出揃い、番組エンディングでアンケート結果が発表されました。順位は以下の通りです。

3位 踊舞「練り乾飯 乳粥仕立て」 33票
2位 秀吉「民の とうもころしふりかけ」49票
1位 家康「もろこしあられ 牛乳坊主仕立て」 80票

MBGは見事、家康が獲得です。
試しに、例の漫才の冒頭を変換してみましょう。

「うちのオカンが好きな朝ご飯があるらしいんやけど、その名前を忘れたらしくてね」

「どんな特徴言うてたか教えてみてよ」

「甘くてカリカリしててな。牛乳かけて食べるやつやっていうねん」

「もろこしあられ 牛乳坊主仕立てやないかい!その特徴は完全にもろこしあられ 牛乳坊主仕立てやがな!」

「でも、ちょっと分からへんのよ。俺ももろこしあられ 牛乳坊主仕立てと思ったんやけどな、『死ぬ前の最後のごはんもそれでいい』って言うねん」

「ほなもろこしあられ 牛乳坊主仕立てと違うか。人生の最後がもろこしあられ 牛乳坊主仕立てでいいわけないもんね」

ミルクボーイのお2人にはぜひとも…いや、気が向いたら使ってほしいものです。
(岡戸孝宏)
名古屋おもてなし武将隊® 戦国音絵巻
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2019年12月23日21時05分~抜粋

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