名古屋おもてなし武将隊® 戦国音絵巻

もし織田信長が本能寺の変で、出口を間違えていたら何と言う?

400年前より現代に蘇りし戦国武将の集団・名古屋おもてなし武将隊が、ラジオ界の天下一を目指す番組『戦国音絵巻』。
10月28日の放送では、織田信長加藤清正、陣笠隊の足軽・踊舞(とうま)が"出陣"しました。

この日は「掛詞茶会(かけことばちゃかい)」の企画が行われました。ざっくり言うと「ダジャレ大会」です。

光秀ゆかりの地・明智町

戦国時代、武士の間で茶の湯がブームとなり、数々の茶会が開かれました。
そして万葉集の時代から和歌の技法として使われてきた、掛詞。
これらが一体となった催しが掛詞茶会です。

ダジャレだとバカにしてはいけません。
風流な言葉遊びを披露しあい、侘び寂びを堪能していくという、高尚な企画なのです。

えまき~(音絵巻リスナー)からは、「ダジャレにしてほしい言葉」を矢文(メール)で送ってもらっているので、紹介していきましょう。

「掛詞茶会でやってほしい言葉は『明智』です」(Aさん)

これは前日の27日、岐阜県恵那市明智町にあるテーマパーク・日本大正村にて行われたイベント「あけちハロウィンかえでまつり」に、信長が参加したということがリクエストの理由のようです。

早速、信長が掛詞を思いつきました。

信長「『信長様!明智光秀、謀反にございます!こちらからお逃げくださいませ!』(家臣のセリフ)

ガラガラガラッ!…あっ、"あけち"がえた(開け違えた)!」

信長はうっかりさん

踊舞「信長様、それは一体、どういった意味でございましょうか?」

信長「儂が本能寺の変で逃げ遅れた理由が、戸の開け違いにより脱出できなかったとすれば、このようになっておったんではないかなと。
何とも深い深い味わいの、歴史の“もしも”が味わえる掛詞となっており申す」

清正「それは信長様の『ただのうっかりさん』といった側面が垣間見える、そのような味わい深い句にございましょうか?」

信長「まさにその通りじゃ」

清正・踊舞「なるほどぉ~。結構なお点前で」

カコーン。(ししおどしの効果音)

このように、掛詞茶会には一定のお作法があります。

まず武将の誰かがダジャレを発表し、足軽が意味を尋ね、発表者は改めてダジャレの説明をします。
ダジャレの説明なんて普通なら恥ずかしい行為ですが、掛詞茶会では風流となるのです。
そして他の者たちは最後に「結構なお点前で」と返す。そう、この“茶室”では「スベる」という概念は存在しないのでした。

ただ、清正がひとこと余計な感想を挟んだのが気になりますが。

信長の高等テクニック

続いてのお題を紹介しましょう。

「『10周年』でお願いします」(Bさん他多数)

これは、名古屋おもてなし武将隊が今年11月3日で結成10周年を迎えることにちなんでいます。

今度も信長が手を挙げました。

信長「『信長様!明智光秀、謀反にございます!火の手が上がっております!』
えっ!?そんなはずはっ!…ジュウゥゥゥ」

踊舞「信長様、どういった意味でございましょうか?」

信長「これは、あの有名な本能寺の変。これは歴史の“もしも”が詰まっておる、何とも味わい深い掛詞である」

清正「ふぅぅぅぅむ(感嘆)。これはやはり本能寺の燃えておるっちゅうことを…」
信長「『結構なお点前で』を言え!さっきと同じくだりになっておる!」

またも清正の余計な感想に、信長もしびれを切らせました。
しかし心を落ち着かせながら信長が補足説明をします。

信長「まあ、炎に焼かれて『ジュウゥゥゥ』と、10を掛けた。何も『10周年』全部を使わんでもええんじゃ」

お題を全て無理に組み込もうとするよりも、一部だけを使ってきれいに掛詞にした方がいい場合もあるという、高等テクニックです。

余談ですが、本能寺の変の設定を繰り返し使うという手法も、お笑い用語の“天丼”という高等テクニックです。しかも設定自体が自虐ネタです。
風流だけでなくユーモアも取り入れる信長、さすがです。

茶会は歌会じゃないですよ

清正「なるほど。しからば拙者、ひとついけまする」

信長のテクニックに清正も刺激を受けたようです。

清正「『信長様!明智光秀、謀反にござりまする!』
何!?そんなはずではっ!ガラガラガラッ!ジュウゥゥゥ…くっ!これが奴の執念かっ!」

踊舞「清正様。こちら、いかような意味で?」

清正「これは明智光秀様の、何やら信長様からの仕打ちであったりとか、あるいは己が我欲をいかに満たすかといった、そのような執念を宿しておったというのを、信長様が本能寺にて初めて知るという情景を思い描いた、味わい深い句にござりまする」

何だかわかるようなわからないような説明ですね。さらに信長がツッコみます。

信長「それより清正、途中で『ジュウ、クッ』と言っておったであろう?」

そう、「くっ!」という歯を食い縛る様子が入ったせいで、数字が「10、9」と聞こえてしまい紛らわしいのですね。
これに対して清正、またもや不思議な釈明をし始めます。

清正「それは、まだ我ら10周年を迎えておりませぬがゆえに、今の段階の9周年っちゅうのを句に入れつつ、10周年を取り入れ、更に信長様の先程の句を“本歌取り”いたした、まさに和歌の技法でござりまするが、本歌取りを生かした味わい深い句にござりまする」

ダジャレを含んだ文章を「句」と言ってしまったり、有名な古歌の文句を借りて新たに歌を作る「本歌取り」(いわゆるオマージュ)を例に出したり。
「掛詞」という言葉に引っ張られ過ぎて、すっかり和歌に寄せてしまった清正なのでした。
(岡戸孝宏)
 
名古屋おもてなし武将隊® 戦国音絵巻
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2019年10月28日21時33分~抜粋

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