名古屋おもてなし武将隊® 戦国音絵巻

金箔武将・前田利家が、緊迫の状況を解決!?「金箔相談」

400年前より現代に蘇りし戦国武将の集団・名古屋おもてなし武将隊(R)が、ラジオ界の天下一を目指す番組『戦国音絵巻』。
3/11の「出陣」は、前田利家、前田慶次(利家の甥っ子)、足軽の陣笠隊・なつです。

今回は、「前田利家の金箔相談」第3回の模様をお届けします。

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2つの意味でキンパクです

前田利家と言えば“加賀百万石の祖”とうたわれ、現在の石川県の礎を築いた人物です。その石川県にある金沢市は、「金箔」の名産地として有名です。

金(きん)は、最も薄く伸ばすことができる金属。なんと、0.0001mmまで薄くすることができるとか。その性質を利用して作られる金箔、日本ではほとんどが金沢で生産されています。もはや、利家は“金箔武将”と言っても過言ではありません。

その考えから作られた企画が「金箔相談」。
今すぐ直ちに早急に解決してほしい悩み…つまり“緊迫”した状況での相談を、えまき~(音絵巻リスナー)から募集します。
それに対し利家が、最初は小さな金でも大きく薄く広がる“金箔”のように「とても凄そうに思えるけど、実は薄っぺら~い」解決法を授けるというものです。
 

早く解決してほしいのに

では、最初のえまき~からの矢文(メール)を、なつが読み上げていきます。

Aさんの矢文
「利家様!大学の健康診断の日に、バイトを入れてしまいました!どうすればいいですか!?」

相当焦っているようです。すがるような気持ちが伝わってきます。
そんな思いとは裏腹に、シューベルトの名曲『アヴェ・マリア』の優雅な調べに乗せて、利家がゆっくりと語り出すのでした。

「なるほど。まあ、いわゆる健康診断。身体の調子を診てもらう日に、“戦働き(いくさばたらき)”を入れてしまった。なるほどのう」

矢文の内容を噛み締めるように繰り返す利家。続けます。

「まあ、この健康診断というのは非常に大切なものじゃな。年に一度、身体の調子を診てもらい、隅々まで詳しく知り、そして大きな病がないか、怪我がないかというのをしかと見極め、その次の一年、しかと健康に暮らすために必要なものである訳じゃな」

慶次「…健康診断の概要ですな」

今さら健康診断の説明をした利家に、慶次も思わずボソッとツッコミを入れてしまいました。続けます。
 

何の相談でしたっけ?

「まあ、そんな日に戦働きを入れてしまうと。それはとんだウッカリさんな訳じゃな。ウッカリさんはいかんぞぉ。ウッカリしとるとな、様々なことが起こる。
例えばウッカリしとるとな、儂(わし)もよくあるんじゃが、物忘れが酷くなるわな。特に儂の物忘れっちゅうのはアレじゃな、いざ必要な物が見つからんっちゅうヤツじゃな」

ダラダラと順調に(?)話が薄く伸びてきましたよ。続けます。

「儂なんかよく、笄(こうがい)を失くすわな。笄というのはアレじゃ、耳かきじゃ。いざ耳が痒いのぉと思っとったらな、笄が無いと。笄はどこに行ってまったんじゃ、笄なあ。笄が無いといかんわ、笄。なあ、笄が無いとまあー・・・これ以上、『コウガイ』ができん!」

どうやら利家は「笄が無いということを口外(こうがい)できない」と、ダジャレを言ったようです。
が、慶次たちには伝わらず、単純に「耳かきの道具が無いから耳かきができない」という感じに捉えられたようです。

慶次「解決しておらんですぞ、叔父貴。叔父貴の悩みを打ち明けておるだけですぞ」
利家「健康に過ごせよ。健康にしかと過ごすがよい」
慶次「いやいや、健康診断に行けんのじゃて!」

結局、何の解決も無いまま、次の相談に移るのでした。
 

前田利家は人見知り?

Bさんの矢文

「花粉症のせいなのかよく分かりませんが、左の目頭が痒くて痒くて仕方がありません!もうどうにかなりそうです!助けてください!」

これまた急を要する相談です。今度こそ解決してほしいものですが・・・。

「なるほど、花粉症。現世の者たちが多く悩まされておるモノのひとつじゃな。これはアレじゃろ、花の粉が様々な所に付着すると発病するモノじゃな。細かい物が体内に入ってくるで、身体が拒否反応を起こしとる訳じゃな」

またもや、今さら花粉症の説明をし始めた利家。もっとも、花粉症も健康診断も戦国時代には無かった概念なので、利家自身が今一度理解を深めようとしたのかもしれません。続けます。

「まあ、拒否反応っちゅうのは誰にでもあることじゃな。儂も、よく知らん者が近くに寄ってくるとやはりな、どうしても『うっ…』となってしまうことがあるわな」

慶次「人見知り!?」

「城におる時はそうでもにゃぁが、“鉄籠(てつかご)”でな、知らん者が近くに寄ってくるといかんわなぁ」

武将隊の中では、自動車のことを鉄籠と呼んでいるようです。金属製の乗り物の呼び方はそれに準じているようです。

「特に“大鉄籠”があるじゃろ。地下鉄っちゅうんか、電車と言ったモノはいかんなあ。混むとな、知らん者と密着せんとあかんじゃろ。あれはどうも息がしづろうていかんわなあ。気を使うでなあ。
特に儂なんか男じゃでな、女子(おなご)の身体に触らんようにせねばいかんじゃろ」

現代のコンプライアンスには敏感な利家です。

利家「もう、どう乗っておったらええんじゃろうな?」
慶次「ではなく、花粉症の解決策を!」
利家「まあ、そういう時は、あまり気負わず、しっかりと乗るっちゅうことが一番ええかもしれんわな」
慶次「いや、電車の乗り方!」

お笑いコンビ・霜降り明星の粗品のような、体言止めのツッコミをする慶次なのでした。
 

薄~い名言

Cさんの矢文
「明日、有休を取っていたことをすっかり忘れていました!明日は何をすれば良いでしょう!?」

「有休…アレきゃぁ?休みを申告して取るっちゅうヤツじゃな。なぜ取ったんじゃ?」

自分がその日に休みを取りたくて申告したはずなのに、忘れてしまうとは。利家が疑問に思うのも当然ですが、とにかく緊迫しているので続けます。

「まあ、急に休みになってまった訳じゃな。急な休みっちゅうのはええわなあ。戦働きでなあ、日々疲れとる中でなあ、『ああ、明日休みじゃったあ!』ちゅうのはなあ。儂じゃったらむしろ心が高揚するんじゃけれども。この者は何をすればええか困っておる訳じゃなあ」

相談内容をなぞって話を伸ばす、というのはもはやお約束のようです。

利家「そうじゃのう…何かするか…。何かすればええんでにゃぁか?」
慶次「だから、その何かを!名古屋城へ行くとか!」
利家「まあ儂じゃったら朝からな、あのー、アレやってな。アレじゃアレ。まあアレやって過ごすんじゃ」
慶次「アレが(何なのかが)大事!」
利家「アレをやって過ごせばええ。“一日一日を立派に過ごせ”」
慶次「気持ちの問題!?」

一日一日を立派に過ごせ。
ごく普通の言葉をいかにも名言のように仰々しく言い切った利家。お見事なまでの薄っぺらさでした。
(岡戸孝宏)
 
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