名古屋おもてなし武将隊® 戦国音絵巻

肉体と精神は傷ついても修復してより強くなる!加藤清正の筋肉体操

400年前より現代に蘇りし戦国武将の集団・名古屋おもてなし武将隊®が、ラジオ界の天下一を目指す番組『戦国音絵巻』。
7/2の出陣は、豊臣秀吉、加藤清正、足軽の陣笠隊・踊舞(とうま)です。

今回はラジオ界でも1、2を争うシュールな企画「加藤清正の筋肉体操」が行われました。
戦国時代には日々の鍛錬で頑強な肉体を作り、現世では筋トレに余念がない"筋肉武将"こと清正が、リスナーの願いに沿う肉体に改造する術を伝授するというものです。

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スイカを一刀両断するには?

「一部の筋肉好きの皆々、待たせたな。“筋肉兄者”が帰って参ったぞ」

えまき~(音絵巻リスナー)にそっと語りかける清正。筋肉兄者とはおそらく、体操のおにいさん的なものなのでしょう。

身体を動かして表現するという、ラジオに全く向かないこのコーナー。しかし、ラジオは言葉と音だけでいかに想像させるかが勝負。筋肉を鍛え上げてパンパンに膨らますように、聴いてる者の想像力を膨らませる。つまり、身体も頭もパンプアップさせるのが、このコーナーの真骨頂なのです。

では、えまき~からの願いを紹介していきましょう。
まずはAさんからの矢文を、踊舞が読み上げます。

「毎年、親戚が集まった時に、スイカ割りをします。一番年下の私がトップバッターですが、いつもスイカはヘコむだけ。スイカを綺麗に真っ二つにするには、どうすれば良いのでしょうか?」

スイカを割れる腕力が欲しいというAさん。上から振り下ろす力を付けるためには、“二の腕”と呼ばれる部分の上腕三頭筋を極めるのが良いと、清正は語ります。力こぶができるのが上腕二頭筋で、その裏側が上腕三頭筋です

では、指南に入ります。

「いざ、行きマッスル!まずな、肩幅よりも狭い幅で、両手を床に着いて参ろう。して、両足は肩幅ほどに開いて床に着け、この状態で腕立て伏せを行う」

そう言いつつ清正が、実践して見せます。腕立ての状態でさらに説明します。

「女子(おなご)で基礎体力の無い者は、膝を床に着けた状態でも良い」

この膝からの卒業

実は「両手の幅を狭くする・膝を着く」という類いの腕立て伏せは、これまでに何度か登場している運動で、正直「筋肉体操」の回を重ねていくとネタかぶりが増えてしまうのは否めません。
ただ、このコーナーはここからが本番です。足軽のムチャブリに対する清正の「頭の体操」が繰り広げられるのです。

清正「膝を着くとだいぶ負荷が軽くなるので、まずはそこでしっかりと形を作り、耐えうる筋肉を付けてから、“膝からの卒業”でございます」
(膝を着かなくてもよくなる、という意味)

踊舞「膝から卒業すると?」
清正「膝から卒業すると、上腕三頭筋が筋骨隆々になる」

踊舞「筋骨隆々になり?」
清正「なると、えー、スイカを真っ二つにできる!」

踊舞「真っ二つになると?」
清正「大地が割れる!」

踊舞「大地が割れて?」
清正「大地が割れて?大地が割れて…。マントルまで届くっ!!」

筋肉というのは冒険である

ここでマッチョなBGMが流れます。軍師(ディレクター)が「ムチャブリに上手くオチがついた」もしくは「これ以上続けてもムリだな」と判断したというしるしです。

しかし、地球の中心部近くのマントルが見えるぐらいになってしまうとは。

秀吉「困る。地球が割れては困る」
清正「それほどの力が欲しくないのか?この者は」
秀吉「女子じゃろ、この者は」
清正「いえ、この者は力を欲しとるんです!」

さらに暴走し出す清正。

秀吉「スイカを割りたいんじゃ。地球を割ったら意味無いじゃろ」
清正「いえ、殿下。鍛練をしておりますと途中で、いかに自分の目標が小さかったかというのが分かります。筋肉というのは“冒険”なのです!まだまだ先があるのです!終わりはございません。
ゆえに、もう地球だけでなく、宇宙を超えた何かわからんものまで目指す!それが筋肉体操でございます」

言葉の意味はよくわかりませんが、とにかくすごい自信です。
「筋肉は冒険」というのが何だか大変な名言のように思わされます。

決めに行ったのに決まらない

続いてBさん(女性)からの矢文です。

「兄貴に、『お前って上半身は肉が無いのに、下半身はプルップルだよな。歩いてる姿を見ると笑えるよ』と言われて、悩んでいます。何とか兄を見返したいです」

これに対して清正は、裏もも(太ももの裏側)を鍛えるべく指南を始めます。「ハムストリング」と呼ばれる部分ですね。

「では、行きマッスル。まずは足を肩幅と同じぐらいに開いて立ち申す。手は頭の後ろに構える。片足を大きく前に出し、身体を真下に下げる。そして開いた足で地面を押し出すように戻して参る」

片足を後ろに引いてアキレス腱を伸ばすストレッチがありますよね。あの体勢でスクワットするようなものです。「スプリットスクワット」と呼ばれています。

秀吉「やはりこの企画、ラジオに不向きじゃな」
踊舞「いえ、これ聴いとる皆々がそのように動くと、筋肉体操ができるということで」
清正「左様にござる。筋肉の他に想像力も養える、と」

ここからが本番です。

踊舞「想像力を養えると?」
清正「えー、下半身が美しくなる」

踊舞「下半身が美しくなり?」
清正「兄貴がギャフン!となる」

踊舞「兄貴がギャフンとなり、父親は?」
清正「父親は、もう、ニッコリ!!」

…しーん。

思いっきり叫んで決めに行った清正ですが、マッチョなBGMは流れません。

鍛練は破壊と修復の繰り返し

続けます。

踊舞「母親は!?」
清正「もう、笑顔が百万石!!」

・・・。

踊舞「おじいちゃんは!?」
清正「おじいちゃんは、もう、涙ちょちょ切れ!!」

・・・。

踊舞「もう一声!秀吉様は!?」
清正「もう、大笑いっ!!」

・・・。

清正「…もう、泣いていいですか?」

(♪マッチョなBGM)

筋肉を限界まで追い込むがごとく、心も追い込んだ結果、心が折れてしまったようです。

しかし、傷ついた筋繊維が修復することによって鍛え上げられるのが、筋肉。傷ついた心もすぐに修復し、立ち直るのでした。

清正「この筋肉体操をしかと成功いたして、B殿が美しい下半身を手に入れ兄貴を見返せば、その兄貴も『じゃあ私も鍛練せねばな』と思うようになる。“筋肉は伝染する”!決まったぁ!」

また、よくわからないけど名言っぽいことを言う清正。心が前向きであることだけは確かです。

清正は鋼メンタルを手に入れた!

最後は、筋肉体操恒例のシメ「筋肉しりとり」。戦国時代にまつわる言葉でしりとりをして、筋肉の名称に繋げるというもの。しかも1人だけで。シュールな企画にふさわしいシメです。

季節は夏ということで、最初の言葉は夏の「つ」から。

清正「つ。えー、つば。唾液ではござらん、刀の鍔でござる。ば。ばー、馬車。ばしゃ、や、や、や…焼き討ち。ち。虫様筋(ちゅうようきん)!決まったぁ!」

虫様筋は、指の付け根を曲げるための筋肉です。

ただ、日本では馬車が使われたのは明治時代から。牛車なら良いのですが、馬車は戦国時代っぽくありません。

もっとも、心が鍛え上げられた清正は、こんなミスを気にも留めず、筋肉道を走り続けていくことでしょう。
(岡戸孝宏)
名古屋おもてなし武将隊® 戦国音絵巻
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2018年07月02日21時44分~抜粋

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