織田信長の茶会が、前田慶次のせいで「シッ茶会メッ茶会」に。

名古屋おもてなし武将隊® 戦国音絵巻 / エンタメ

400年前より現代に蘇りし戦国武将の集団・名古屋おもてなし武将隊®が、ラジオ界の天下一を目指す番組『戦国音絵巻』。
4/23の"出陣"は、織田信長、前田慶次、陣笠隊の足軽・踊舞(とうま)です。

番組史上最高に雅(みやび)な企画「掛詞茶会(かけことばちゃかい)」、早くも第3回が開催されました。
戦国時代に数々の茶会で磨かれた、武将の言葉遊びの技術を披露してもらい、その"わび・さび"を堪能する企画です。

実は文化人・前田慶次

古くから日本では、和歌において「夜」と「寄る」の意味を被せるなどのいわゆる"掛詞"という技法があります。
そして戦国時代、千利休が完成させた茶の湯が流行し、茶会は一種の社交場となりました。
これらの風流的要素を組み合わせたのが「掛詞茶会」。軽い言い方だと「ダジャレ大会」です。

ただし、この茶会が行なわれる茶室では「スベる」という概念が一切ありません。その空間で発せられた言葉遊びをみんなが味わい、「結構なお点前で」と返す。これが掛詞茶会の楽しみ方なのです。
茶葉の代わりに言の葉を使うということです。

ちなみに、前田慶次はこのコーナーに初参加。
変わった言動で"傾奇者"と呼ばれた彼も、高い教養を備え歌人として風流な一面を持ち合わせています。まさにピッタリの企画でしょう。

そしてこの企画はあまりに雅(みやび)なため、日ごろは威厳のある信長の口ぶりが、お公家様のようになってしまうのでした。

信長「どうじゃ慶次。顔がこわばっておるようじゃが?」

慶次「ヒィヤいやいや、信長公。それがしのぉ、言の葉遊び、みくびってはぁ、いけまっせぬぞぉ~」

慶次も釣られて公家口調になり…いや、これは、単なるネチョッとした甲高いだけのしゃべり方のような…。

ギャグの説明を堂々とできる

まずは1つ目のお題は、間もなく始まる「ゴールデンウィーク」です。
この言の葉をどのように点ててくれるのでしょうか。

早速、信長が名乗りを上げました。

「この連休で、たくさんの酒を飲み申した。まさに、ゴールデン"ウィック"」

踊舞「信長様、それは一体どういうことでございましょうか?」

信長「やはりな、連休が続くと、たくさん酒を煽る者もおるわな。酒を煽ると、ついな、シャックリが出るんじゃ。まさにゴールデンウィークで、ゴールデンウィック」

慶次&踊舞「なるほどー。結構なお点前で」

カコーン(ししおどしの音)。

このコーナーの醍醐味として、自分のダジャレを説明するという所作があります。
普段なら超絶恥ずかしい最低最悪の行為なのですが、掛詞茶会の空間では歴とした作法のひとつ。何も恥ずかしいことはありません。

けいじは ようすを みている。

まずはお手本を見せた信長ですが、慶次が名乗りを上げません。様子を見ています。
風流人とは言え、さすがに初参加で緊張しているのでしょうか。

慶次の心をほぐすべく、さらに信長が新作を発表します。

「こんな変わり種もござるよ。
ゴールデンウィーク。たくさんの休み、ありがとさんじゃ。連休ベリーマッチ」

踊舞「信長様。それは一体どういった意味でございましょうか?」

信長「やはりな、連休が続くと皆々感謝をするわな。これは、伴天連語の『サンキューベリーマッチ』と、連休をかけたんじゃー!」

ちなみに伴天連(ばてれん)とは、ポルトガル語で神父という意味の「パードレ」からきたもので、戦国時代はカトリックのキリスト教をそう呼んでいました。その流れから武将隊では、西洋の言葉をひっくるめて「伴天連語」と称しています。

さあ、異国の言の葉を駆使した変化球技に、慶次は刺激を受けたでしょうか?

慶次「…」

なんと、まだ様子を見ています。

慶次「うーむ…。“黄金週間”はあまり得意ではないー。わらわは、違うお題が欲しいのぉー」

踊舞「『わらわは』って、女子(おなご)みたいになっておりますが…」

追い詰められてるような感のある慶次のリクエストに応え、次はえまき~(音絵巻リスナー)から送られてきたお題に変えることになります。

史上初の技が誕生!

Aさんからのお題は「チキンカレー」です。限定的ゆえに、単に「カレー」でも良いことにします。
速攻で信長が思い付きました。

「お主、カレーばっか食べてないで、チキンとしなさい!」

踊舞「信長様、これは一体どういった意味でございましょうか?」

信長「生活習慣病というのはしっかり正さんといかんからな。三食均等に良い物を食べなくてはいけないものを、『カレーばかり食べて、きちんとしなさい』を『チキンとしなさい』と、言った次第であるぞ」

踊舞「これはまさにカレーの如く、ピリッと辛味の効いた掛詞でございましたぁ」

さあ、ここでようやく慶次が挙手します。
いや、ラジオなので、手ではなく声を上げて欲しいのですけれど。

慶次「できたっ(笑)!わらわ、できたよぉ(笑)」

産みの苦しみから解放された慶次、ちょっとネジが飛んでしまったかのようなテンションですが、とにかく作品を披露してもらいましょう。

「カレーばっかり食うておらんと、早よ、草を刈れぇー!」

踊舞「慶次様、これはどういった意味でございましょうか?」

慶次「庭師の者にのぅ、『カレーばかり食うとらんと、早よ、公務である草を刈れぇー』と言うてやったんじゃぁー」

信長「おお、前田慶次、なかなかやるではないか。不意を突かれて、笑いを、誘われたわぁ!あーっはっはっはっはっは!
これを合わせ技で参ると、『草をチキンと刈れぇー』となるのぉ」

慶次「左様にござるのぉ!おーっほっほっほっほっほ!」

信長「結構なお点前で」

カコーン。

心が身体を追い越した

何と、茶会3回目にして初の合わせ技が生まれました。言の葉のブレンドですね。

「あまりにも雅過ぎて、拙者にはちょっと理解できませんでした」という踊舞は、落ち着いたトーンで次のお題を紹介していきます。

「B殿からのお題、『明智光秀』でお願いいたします」

主君の信長を裏切り「本能寺の変」を起こした、明智光秀。再来年には公共放送の大河ドラマで主人公となります。
しかしそんな私怨はそっちのけで、またもや信長が即答するのでした。

「光秀。今夜中には来ると言うておったのに、まだ来んのぉ。もう朝が、明けちまった」

本当は朝じゃなく「夜が明けちまった」と言うべきところを、あまりにも早く掛詞が浮かんでしまったため、舌が追いつかず言い間違えてしまったようです。心が身体を追い越してしまいました。

「是非も無し!うわぁぁぁぁ!」と悔やむ信長。
しかしそんな些細なことでは、これまでの掛詞茶会における信長の功績は崩れません。

茶会でなく歌会なら…

問題はこの次です。

信長「慶次はどうじゃ?」

慶次「うーむ…。わらわは、できてしまった、かなぁ…おうふっふっふっふっふ…」

いや、できてないならムリして見切り発車しなくてもいいんですよ?…という空気の中、慶次が発表したのはこちらです。

「あけぇちぃ~、みつひでぇ~♪あけちぃ~、みつひぃでぇ~♪あけちぃー…」

え?ただ歌うだけ?

ここで強制的に楽曲が流れて来ました。もうこれはダメだと、軍師(ディレクター)が判断して、CDをかけたようです。ボクシングで言えばタオルが投げられたようなもの。
掛詞茶会史上初の強制終了、ドクターストップです。

歌人としても名を残した慶次は、現世に蘇ってから即興で歌を作り口ずさむ特技を覚えました。この日はあまりにも追い詰められ過ぎたため、自分の特技から突破口を開こうとしたようですが、あえなく撃沈したのでした。

ただ、いろいろ初となる珍しいことも起きたので、楽しめた人も多かったのではないでしょうか。
慶次もこれを教訓にして、きっと次回は雅な掛詞を産み出してくれることでしょう。
今回はまさに、社会勉強ならぬ茶会勉強ということです。
これは、社会と茶会という似た言葉をかけました。カコーン。
(岡戸孝宏)
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2018年04月23日21時44分~抜粋

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