名古屋おもてなし武将隊® 戦国音絵巻

徳川家康を切腹に追い込む?名古屋おもてなし武将隊・豊臣秀吉の猿芝居

400年前より現代に蘇りし戦国武将の集団・名古屋おもてなし武将隊®が、ラジオ界の天下一を目指す番組『戦国音絵巻』。
4/16の“出陣”は、豊臣秀吉、徳川家康、陣笠隊の足軽・なつです。

今回お伝えするのは「太閤さんの猿芝居」というコーナー。
織田信長から"猿"と呼ばれた太閤・豊臣秀吉が、人の心を掴む演技力を披露します。えまき~(音絵巻リスナー)から、秀吉に言ってもらいたいセリフが矢文(メール)で多数寄せられました。

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その自然じゃなーい!

まず選ばれたのはこちら。

【1】「大阪でたこ焼きが食べたい!」

このセリフを、会話の中にさりげなく自然に秀吉が織り交ぜます。軍師(ディレクター)がOKと判断すれば、童謡『アイアイ』の曲が流れます。お猿さんつながりです。
ちなみに、クリアすればセリフがその都度新たに追加されます。

かつて大坂(現・大阪)に城を築き拠点としていた秀吉ですが、現世に蘇ってからは、大阪に“遠征”に行った
ことはあるものの、まだ名物のたこ焼きは食べたことがないようです。

そして、なつがもう1つセリフを選ぼうとしたところ、家康が早々と会話を進めようとしてきました。

家康「まあしかし、秀吉殿、春ですなあ」

秀吉「いきなり始めるなあ。ちょっと待っとって、もう1個セリフを読むで。そう焦るでにゃあ」

家康「秀吉殿、春ですなあ」

秀吉「あー!大阪でたこ焼きが食べたーい!」
(アイアイ♪)

ええっ、急に!?何の脈絡も無いんですけど?

秀吉「今のセリフは自然だったな。自然は自然でも、『春』という自然があったで、その“自然に入れた”ということじゃ。これは家康殿、役に立ったで。幸先良いな」

家康「どこが?力業にも程がある(笑)」

どうやら家康は、秀吉を困らせようとして会話を始めようとしたようですが、一休さんのとんち話のような展開になってしまったのでした。

黒幕説は果たして…

気を良くした秀吉は、新たにセリフを2つ受け入れます。

【2】「ぬ、ぬ、濡れ衣じゃあ~!」
【3】「清正が一番」

なんと【3】は、名古屋おもてなし武将隊(R)の一員にして、秀吉の忠実な家臣である加藤清正が、自ら送ってきた矢文なのです。
出演者側であるにも関わらず、ラジオを聴いてわざわざ送ってきたということは、よっぽど秀吉に言ってもらいたいセリフなのでしょう。愛に飢えた子犬のようです。

では、秀吉が会話を進めていきます。

「最近わし、思うことがあるんじゃ。明智光秀が信長様に謀反を起こした『本能寺の変』。現世ではなんと、わし・秀吉が黒幕ではないかという説があり、(武将隊の)信長様がわしに怒っとるんじゃ」

なつ「それは誠なのですか?」

秀吉「誠ではにゃーよ。そんなことするわけがにゃーもんな」

家康「さよう。わしも現世では近年疑われておるんですわ」

秀吉「お主じゃろ!?やったの。確かに怪しいんじゃ、この者。大坂の堺におったんじゃろ?(京都の本能寺に)一番近い所におったで。普通助けに行くじゃろ」

当時、堺に滞在していた家康は、本能寺の変の報を聞いて、信長と同盟を結んでいた自身の命も危ないと察し、伊賀国(三重県)を経由してはるばる遠く三河・岡崎城まで逃げのびたと言われています。いわゆる“伊賀越え”です。

秀吉に激しく責め立てられた家康はついに、「そんなことはないですぞ。そんなことは…ぬ、ぬ、濡れ衣じゃあ~!」
(アイアイ♪)

あれ?家康が言ってもOKなんですか?
「何でお主が言うんじゃ。確かにわしが言わせたけれども」と、最初は秀吉も不満げでしたが、これはラッキーだと思ったか、すかさず受け入れます。

「これも1つの手なんじゃ。自分が言わず、自然に人に言わせるという」

この抜け目のなさ。もしかして本当に黒幕なんじゃないかと思わせる程です。

金持ちの道楽

「さあ、もう2つセリフを追加していこう」とご機嫌な秀吉ですが、すっかり【3】の存在を忘れていました。

秀吉「あ、ああ、ああー、大丈夫。これも自然に入れられるで」
家康「清正。次行くでな」

ラジオの前の清正、さぞドキドキしていることでしょう。では続けます。

【4】「聚楽第へ行きたいかぁ!」
【5】「めんどくさいし、足も臭い!」

補足説明します。「聚楽第」(じゅらくだい)とは、安土桃山時代、秀吉が京都に造った建築物です。政庁・邸宅を兼ねた城郭で、要は職場兼別荘みたいなもの。
これに、かつての大型クイズ番組『アメリカ横断ウルトラクイズ』での名セリフ「ニューヨークへ行きたいかー!」を合わせたものです。

秀吉が話します。

「なぜ聚楽第を造ったかというと、異国の使者が来た時に、豪華絢爛な状態で迎えたいということなんじゃ。だで、今で言うと建築費用は50億円、60億円、下手すると100億円いっておる」

とんでもない豪邸です。

「あとはじゃよ、この聚楽第が完成した時に、わし、皆に小判を投げたんじゃ。どれだけわしにお金があるのか見せるために」

菓子まきならぬ、カネまき。こ、こ、これは、ぜ、是非とも参加したかったものですが…。

「実は聚楽第は今はもう無いんじゃ。わしが壊してしまったで。もう行きたくても行けないんじゃ。ただ、もう一度現世で造ろうと思う。ゆえに、できたその暁には、お主らにどえりゃー小判をまくで。
お主ら、聚楽第へ行きたいかぁ!」

家康&なつ「おおーっ!」
(アイアイ♪)

そうそう、これこれ。こういうのが欲しかったんです。やっとコーナーの趣旨に見合う解答が得られました。

ちなみに本来の聚楽第は、秀吉が甥の秀次を養子にして、関白職と共に譲ったのですが、実子である秀頼が生まれると、途端に秀次を追い出し切腹させ、聚楽第もわずか竣工8年で破壊してしまうという、かなりのわけあり物件です。
 

伝われこの思い!

家康「ただ、清正…」

秀吉「清正?あ、ああーああー、大丈夫、心配するな。清正聴いとるか?次、自然に入れてくで任せよ」

家康「絶対ないと思うぞ清正。この形に入ったらもうないぞ」

さすが家康、現世のお笑いのテクニック「すかし」を理解しているようです。この、言うと思って言わないパターンは、果たしてどこまで続くのでしょうか?

なつ「次の矢文を紹介させていただきます。えまき~ねーむ(ラジオネーム)『ちょちょいのちょび』様から頂戴いたしました」

家康「そこは“ちょちょいのちょい”じゃ。ちょびではなく、ちょい!」

なつ「ちょちょいのちょび様でござりまする」

家康「ちょびではなく、ちょいじゃ!」

なんと家康、今度はリスナーのラジオネームに絡んできましたよ。面倒ですね。

秀吉「うるさいなあ、お主は!めんどくさいし、足も臭い!」
(アイアイ♪)

正直、秀吉がセリフをぶっ込みやすくなるよう家康が誘い水を向けたのですが、いざ言われてみると心が折れそうになったようです。

家康「めんどくさいのは誰が“一番”でござるか?」
秀吉「めんどくさいのは徳川家康殿じゃよ。足が臭いのも、家康殿が一番」

「○○が一番」と言えるよう、家康が更なる呼び水を与えたのに、ダメ押ししてしまう秀吉。
意図が通じないという新たな要因により心が完全に折れた家康、スタジオにあるホワイトボードに「切腹し申す」と書き殴ってしまうのでした。
徳川家康 筆

これは一部フィクションです

さすがに秀吉も家康の真意に気づいた様子で、「すまんすまん、わし、いいこと思い付いたで。お主が切腹せんでもええように、これを言おう」となだめます。

「言うぞ。めんどくさいし、足も臭い。それ、清正が一番!」
(アイアイ♪)

見事、ミッションクリアです。

もっとも、番組最後にラジオを聴いていた清正からはただ一言「哀しみ。」という矢文が届きましたけれども(苦笑)。

もちろん、本気で言うはずもなく「嘘じゃ、清正。お主が一番じゃ」とフォローした秀吉なのでした。
ついでに、家康も清正も足は全然臭くないということも付け加えておきます。
(岡戸孝宏)
名古屋おもてなし武将隊® 戦国音絵巻
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2018年04月16日21時43分~抜粋

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