名古屋おもてなし武将隊® 戦国音絵巻

違いがわかる男・前田利家が、利き水をスイスイとこなします。水だけに。

400年前より現代に蘇った戦国武将の集団・名古屋おもてなし武将隊が、ラジオ界の天下一を目指す番組『戦国音絵巻』。
11/20の出陣は、豊臣秀吉、前田利家、陣笠隊の足軽・一之助(かずのすけ)でした。

今回取り上げる企画は「利家が飲む」。
これは、加賀百万石の祖と言われ、贅沢を知り尽くした利家が、様々な飲み物の味を、己が舌のみで当てるというもの。

いわゆる利き酒の類いです。「利家」と「利き」とも少しだけ掛けています。

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うっかりネタバレ


前回、7月に行なわれた第1回では「利き茶」をやりました。が、その時は3種類のお茶を全て外すという、お茶どころか涙を飲む結果となりました。
そのせいか、もう二度とやることはないと思われていたのですが、見事復活です。
さて、今回はどんな飲み物を使うのでしょう?

秀吉「めでたく復活か。しかし今日の出来次第でお主、またなくなるかもしれんぞ。これは、背水の陣。水だけに」

ポポン♪(鼓の効果音)

…何やら、うまいこと言ったような感じの秀吉ですが、うっかり今回のお題が「水」だということを先にバラしてしまいました。

軍師(ディレクター)もつられて、「うまい!」という意味で鼓の音を出してしまいます。本来なら、進行を台無しにした秀吉には「グサッ」という槍の突く音を出すべきなのですが。

秀吉「わっはっは、すまんな、水の泡じゃ。水だけに」
(ポポン♪)

全く懲りていないご様子。

水の選抜メンバーはこちら


元々は利家が「わしくらいになると、水の味の違いも鮮明にわかる」という一言から、この企画は始まりました。

そんなわけで、利家の目の前には3種類のナチュラルミネラルウォーターが置かれています。それぞれの内訳はこちら。

【1】ボルヴィック(キリンビバレッジ)…フランスのブランドで、ヨーロッパでは珍しい軟水のミネラルウォーター。1986年より日本で販売が開始されました。軟水は日本茶やお出汁との相性が良いため、本国フランスより日本での人気が高いそうです。

【2】い・ろ・は・す(日本コカ・コーラ)…物事の始まりを表す「いろは」と、持続可能な健康を重視する生活様式「LOHAS」(ロハス)を合わせて名付けられました。おいしさだけでなく、ットボトルの工夫や水資源の保護など、「環境の良さ」も重視しているブランドです。2009年より販売。

【3】南アルプスの天然水(サントリーフーズ)…すっきりとキレがよく、さわやかな清涼感のある味わいです。1991年より販売。専用のウォーターサーバーも人気です。

まずはこれらを利家が順番に試飲していきます。それから改めて1種類だけ商品名を隠して飲んでもらい、それが何なのかを当ててもらいます。
前回は3種類全てを当てる方式でしたが、今回は1種類のみということです。

利家独特のテイスティング


秀吉「今回しっかりと当てれば、先回の全問不正解は水に流すでな。水だけに」
(ポポン♪)

立て板に水を流すように、次々とうまいことを言う秀吉。水だけに。

では試飲を始めます。まずは、ボルヴィックをいざ、実飲!
八代亜紀『舟唄』のサビに乗せて、しみじみと飲んでいきます。

「…あっ!味がわかった!正直、水になんか味があるかと思っておったが、これは甘い!かつて400年前、織田信長様に頂いた金平糖にも似た甘さじゃ!」

戦国時代にポルトガルから伝わったと言われる金平糖。それは大変貴重な物で、一説には1粒1億円ほどの価値があったとも。
献上品として受け取る機会の多かった信長は、それを家臣への褒美として与えることもあったといいます。

さすがにボルヴィックに金平糖の甘さがあるとは思えませんが、利家の個人的思い出がフラッシュバックするのでしょう。

ちなみに、これ以降利家が発する言葉は、超個人的な感想です。メチャクチャ大げさなテイスティングの表現をするソムリエだと思ってください。

水を飲む=涙を飲む?


続いては、い・ろ・は・す。いざ実飲!

「あっ!全然違う!これちょっと、衝撃じゃな!これはな、口当たりが軽い。甘みはそんなに多くなく、スッと溶ける感じ。
わしが信長様の怒りを買って、出仕停止(謹慎処分)を食らってしまった時、我が妻・まつは泣いたんじゃ。『あなた様は何てことをしてるのですか』と。その時流したまつの涙のように、まるでスルスルと流れていく…」

「わからんわ、その表現!」と秀吉がたまらずツッコミを入れます。

そんなことは意に介さず、涙だと言い張る利家。

秀吉「涙はしょっぱいと思うぞ!」
利家「いや、それは鼻水じゃないのか?」
秀吉「鼻水もしょっぱいけども!」
利家「やめよ!飲み物でそんな話は!」
秀吉「お主が鼻水って言ったの!ほんと、お主とわしは“水と油”じゃな!水だけに」
(ポポン♪)

そんな即興ミニコントが繰り広げられた後、「い・ろ・は・すは涙」とメモ書きする利家。
その叙情的なフレーズに「ちょっとオシャレじゃな」と秀吉は食いつくのでした。

アルプスつながり


最後は、南アルプスの天然水。いざ実飲!

「おっ、これは一番味が付いておる。かつて、わしの同輩・佐々成政(さっさ なりまさ)が『さらさら越え』をした時の、峠の雪解け水じゃな」

信長亡き後、後継者争いで秀吉と徳川家康が戦っていましたが、秀吉の謀略によって家康が停戦。
そこで反秀吉側の成政が、現在の富山県から北アルプス・立山連峰を越え、静岡県の浜松までたどり着き、家康に再戦するよう説得しに行ったのが「さらさら越え」と呼ばれています。

「まさに、人間が苦労した味がしみこんでおる!」と興奮する利家。
山梨・長野の南アルプスとは離れていますが、雪山という共通点が昔を思い出させたようです。

秀吉「利家の感想は突拍子もなくて、まさに“寝耳に水”。水だけに」
(ポポン♪)

これはやや強引でした。

水だけにの波状攻撃。水だけに。


ではいよいよ利き水です。

利家「…ん?ちょっとこれは分からんな。聞いてみていいか?」
秀吉「誰に?」
利家「おーい。おーい」
秀吉「水に聞いておるぞ!?」
利家「お主、どんな味じゃ?『ピチョピチョピチョピチョ。私ハ、爽ヤカ系デス…』なるほど、爽やか系じゃな。わかった!い・ろ・は・す、涙の味!」

利き水ならぬ、聞き水です。ていうか、ちょっと怖いです。
そんなサイコな作戦が効いたか、見事正解となりました。

もし間違えていたら、秀吉からのデコピンという罰ゲームがあったと聞かされた利家。
利家「秀吉、わしら親友じゃろ?」
秀吉「まあ、魚と水の関係じゃな。水だけに」(ポポン♪)
利家「わしだけに罰ゲームなるものがあるのは水臭いで。水だけに」(ポポン♪)
秀吉「水を差すような事を言うが、わしは罰ゲームは受けんぞ。水だけに」(ポポン♪)
利家「わしのは罰ゲームではない、愛あるデコピンじゃ」

まさに我田引水の利家。水だけに。

秀吉「んーもう、水も滴るいい男なのにぃ。水だけに」
利家「水だけに、みずみずしい肌に、いざデコピン!」

もう最後は「水だけに」が言いたいだけとなったのでした。
(岡戸孝宏)
名古屋おもてなし武将隊® 戦国音絵巻
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2017年11月20日21時27分~抜粋

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