400年前より現代に蘇りし戦国武将の集団・名古屋おもてなし武将隊が、ラジオ界の天下一を目指す番組『戦国音絵巻』。
10/16の“出陣”は、徳川家康、前田利家、足軽の陣笠隊・踊舞(とうま)です。
2014年3月31日から始まったこの番組も、めでたく放送400回目を迎えました。
その記念企画として、徳川家康による企画「イエス!家康、聞きに行く!」第3回が、バージョンアップして登場しました。
祝・放送400回記念!徳川家康が民の声を電話で直接聞きました。
リスナーと電話でつなぐ特別編
いつもは、天下泰平の世を築き、264年もの長きに渡って続いた江戸幕府を開いた家康が、現世の民の小さな悩みや争い事を、直接聞いて解決するという、遠山の金さん風味も漂うこの企画。
直接とは言いながら、実際は送られてきた矢文(メール)を通じて、悩みを聞き入れていました。
が、今回はなんと、本当に直接、文明の利器・電話をつなぎ、えまき~(音絵巻リスナー)と会話できるのです。
踊舞「それでは家康様。早速、えまき~の相談に乗って頂きたいのですが、聞いて頂けますか?」
家康「YES!」
(いえやすぅ、ききにぃく♪)
※某美容外科・高〇クリニックのCM風に録った声が流れます。
踊舞「ありがとうございまする。では、早速お声を聞かせてくだされ!」
ラジオネーム・さぁ子さん「もしもし。明日の晩ごはんを何にしようか悩んでます」
踊舞「家康様。こういったご意見が来ておりますが、いかがいたしましょう?」
家康「さぁ子よ!裁きを申し渡す!今から言うものを、献立にいたせ!」
(ワライナキというフォークデュオの『Happy Days』が流れます)
※指を鳴らすと女性に翼が生えるという演出の、高〇クリニックのCMに使われた曲です。
踊舞「こ、これは一体どういうことでございましょうか?」
献立に困ったらこの手を使おう
この企画では、家康と踊舞が決まった形・セリフで進行していきます。まどろっこしいと思うでしょうが、これは様式美です。
さて、ここからは電話ならではの、会話で解決に導いていきます。
家康「お主は晩ごはんだけを悩んでおるのか?」
さぁ子さん「朝食から悩んでおります(笑)」
家康「朝食は、さんまの塩焼き。赤みそのみそ汁。小梅。これで行け。お主の名前が“いろは作文”になっておる」
さ→さんま、あ→赤みそ、こ→小梅。名前の一文字一文字を各語句の頭文字に据えて作る、いわゆる“アイウエオ作文”です。
しかも、最初は相談になかった朝食をば指南してしまうとは、さすが400回記念。サービスがいいですね。
家康「晩はこれに致せ。さぁ子のさ!サーロインステーキ。さぁ子のあ!アンチョビサラダ。さぁ子のこ!米粉パン。どうじゃ?」
家康の強引な押しに「とても参考になりました(笑)」とつい答えてしまったさぁ子さん。本当にいいんでしょうか?
確かに悪くない組み合わせではありますけれども。迷った時は自分の名前をアイウエオ作文にしてメニューを決める。これはアリかもしれません。
家康「これにて一件落着!」
アレにて一件落着!
さて、次の相談にいきましょう。繰り返される様式美をお楽しみください。
踊舞「それでは家康様。早速、えまき~の相談に乗って頂きたいのですが、聞いて頂けますか?」
家康「YES!」
(いえやすぅ、ききにぃく♪)
踊舞「ありがとうございまする。では、早速お声を聞かせてくだされ!」
Aさん「私には応援してるスポーツチームがあるんですが、その中で特に応援していた選手が他チームに移籍してしまいました。今季は対戦がないんですけど、来季からどっちを応援したらいいのか悩んでます」
踊舞「家康様。こういったご意見が来ておりますが、いかがいたしましょう?」
家康「Aよ。裁きを申し渡す!アレ、アレ、アレー!アレ、アレ、アレー!」
(ワライナキの曲)
踊舞「こ、これは一体どういうことでございましょうか?」
“アレ”とは、フランス語で「行けー!」という意味。サッカーの応援でよく使われる言葉です。
Aさんがどのスポーツを応援しているかまだ言ってないうちに、サッカーであることを家康は見抜いたのでした。
そして、そのチームが名古屋グランパスであることも。
なぜ家康がこの“アレ”を叫んだのか、その真意を語ります。
「わしは400年前に、石川数正(いしかわ かずまさ)という、最も大切であった家臣2人のうちの1人が、羽柴家に寝返ってしまったことがある。わしとしては残念で、『あれ?』という意味の言葉であったが、応援する気持ちも実はあった。
彼の者(かのもの)はずっとそばで支えてきてくれたが故に、今までの功績を含めて、応援は続けようと」
家康の片腕として、酒井忠次と共に活躍した武将・石川数正。しかし突然、当時敵対していた羽柴秀吉(のちの豊臣秀吉)の元へ逃げていってしまったのです。その理由は今でも不明となっています。
Aさんはその時の家康と同じような状況であるということです。
「敵軍に移籍した彼の者の応援は続け、お主が味方しておる陣営、いわゆるグランパス殿を応援する。この両方を致せ。いかがじゃ?」
数正のことを思い出したか、だんだん涙声になっていく家康。
その情念に揺さぶられたAさんは「わかりました。参考にさせて頂きます」と納得するのでした。
家康「アレ、アレ、アレ!これにて一件落着!」
名古屋城へ、恋しに来い!
最後の相談者です。
踊舞「それでは家康様。早速、えまき~の相談に乗って頂きたいのですが、聞いて頂けますか?」
家康「YES!」
(いえやすぅ、ききにぃく♪)
踊舞「ありがとうございまする。では、早速お声を聞かせてくだされ!」
Bさん「もしもし。春から名古屋に引っ越してきて独り暮らししてます。秋になって忙しさも落ち着いてきたら、人恋しくなってきました。良い人に巡り合うにはどうしたらいいでしょうか?」
踊舞「家康様。こういったご意見が来ておりますが、いかがいたしましょう?」
家康「Bよ。裁きを申し渡す!名古屋城へ来い!」
(ワライナキの曲)
踊舞「こ、これは一体どういうことでございましょうか?」
名古屋おもてなし武将隊が主戦場とし、常に来訪客を迎えているのが名古屋城です。
家康「まずは外に出かけ、広い場所へと参れ。さすれば、自然と出会いもあるじゃろう。その入口として、武将隊における男の中の男・前田利家殿に恋するのもよかろう。利家殿に会いに名古屋城へ来い」
Bさん「はい、行きます!」
家康「これにて一件落着!」
利家「落着しとらんわ(笑)。わしには『まつ』という妻がおるんじゃぞ。もちろん城で待っておるがな、おおらかな気持ちで来てくれ!」
意外なつながりが!?
やはり生電話は特別感があるのか、この日の家康は普段よりテンションアゲアゲでした。
そもそも、高〇という苗字は家康が与えたものという話があります。
本能寺の変で信長亡き後、明智光秀から次のターゲットにされると思った家康は、急いで三河に帰り着きますが、その際体調を崩します。そこを介抱したのが高〇家の祖となる人物でした。
その礼に家康は高〇姓を贈り、代々医業を続けるように言ったとか。
これは、高〇氏本人がメディアで語っています。
そんな言い伝えがあるくらいだから、「イエス!家康、聞きに行く!」は非常に親和性の高い企画と言えましょう。
(岡戸孝宏)
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