名古屋おもてなし武将隊® 戦国音絵巻

天下の奇祭!?擬音だけの「ぎおん祭り」に豊臣秀吉・徳川家康困惑

400年前より現代に蘇りし戦国武将の集団・名古屋おもてなし武将隊が、ラジオ界の天下一を目指す番組。
9/4は、シュールさでは一二を争う企画「陣笠隊・一之助の“ぎおん”祭り」の模様をお送りしました。

今回の“出陣”は、豊臣秀吉、徳川家康、そしてお祭りが大好きな陣笠隊の足軽・一之助(かずのすけ)。
一之助はもちろん京都の祇園祭りも体験済みです。
しかし“ぎおん”祭りは、それと全く違う奇祭中の奇祭なのです。

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ぎおん祭りとは?


「コンコンチキチンコンチキチン コンコンチキチキチキチキチン わっしょいわっしょい わっわっしょーい♪」

祭り囃子で使われる「すりがね」という楽器の音に合わせ、一之助が怪しげなメロディーに乗せつつ明るく擬音を口ずさみながら始まるという、不気味なオープニング。

この企画では、戦国時代にまつわるもの(出来事・場面など)を、一之助が“ドンドン!”や“ピーヒャラ”のような、擬音や効果音のみで表現し、それが何かを武将の2人に当ててもらいます。
更に、えまき~(音絵巻リスナー)からは、戦国時代にまつわるものを募集。それを一之助が擬音に一発変換するという、二段構えの企画となっています。

なお、擬音ではどうしても表せない「セリフ」を使いたい場合には、“わっしょい”という言葉のみで表現することとします。
祭り大好き一之助の口癖が「わっしょい」なので。

ここまで説明されてもよくわからないという人もいるでしょう。まずは例題をやってもらいました。

世界観を把握しましょう


一之助「タカラッタカラッタカラッタカラッタカラッタカラッ…」

何やらこれは、馬が走る音のように聞こえます。すかさず秀吉が答えます。
「忘れん坊将軍!」



一之助「のっしょい」

NO+わっしょい=のっしょい。つまり、“ハズレ”という意味です。
忘れん坊将軍というのは、この番組ではおなじみの『暴れん坊将軍』のパロディ企画で、家康が馬に乗って悩みを解決しにくるという設定のため、秀吉はこう答えたのでした。
例題を続けます。

一之助「タカラッタカラッ…キキキキーッ!『わっしょい、わっしょいわっしょいわっしょーい!』タカラッタカラッタカラッタカラッ…」

「今の“わっしょい”は伝令かのう?」と家康が推測します。走っていた馬が止まり、そこへ誰かが来て何かを叫んで、また馬が走っていく様子を想像したようです。

「タカラッタカラッ…。シュウゥゥ~、スパンッ!パーン!」
ここで、弓矢を放つ仕草をしてしまう一之助。ジェスチャーゲームではありませんよ。

一之助「ブオォォォ…。ブオォォォ…。『わっしょい!わっしょいしょいしょいしょい、わっしょいーっ!』『わっ…しょい…』」

ここで家康が挙手。「わかった!信長公が本能寺にて襲われた場面!」



一之助「わっしょぉーい!(正解)」

解説しましょう。
中国地方の備中高松城で毛利家と戦っていた秀吉を援護するため、備中国(現・岡山県)へ向かっていた明智光秀。しかし途中、「敵は本能寺にあり!」と叫んで引き返し京都の本能寺に攻め込みます。

火矢を放たれた本能寺は炎上。その中で家臣に「信長様!光秀様が謀反を起こしました!」と言われた信長が「是非に及ばず(仕方ない)」と答えたシーン。いわゆる本能寺の変が答えなのでした。

読むのも大変


さて、ここからが本番です。

一之助「ジョロジョロジョロジョロ…。ジョロジョロジョロ…。カッ、カッカッ!ボッ!ブオォォ…。グツグツグツグツ…。ブクブクブクブク…。ジャブッ。ジュゥ~。ジョロジョロジョロジョロ…。ジョロジョロジョロ…。ジュッ。サッ。ササササササッ。カカカカカカカカカカッ。シュウゥ~。シュウゥ~。シュウゥ~。シュウゥ~」

「これ、今ラジオを聴き始めた者は、何だと思うじゃろうな。怪談話じゃと思うじゃろうな」と心配する秀吉と家康。
文章にしてみると、一層その不気味さが漂います。

一之助「ゴクッ。ゴクッ」

ここで秀吉が答えます。「お茶を点てておる!」

そう、水を火にかけ沸騰させたり、茶せんでかき混ぜたり。まさにその通りなのですが、ここはあくまでもストーリーの一部分。一之助は、ひとつの物語として序章から作りこんでいくタイプなのです。前フリが長いとも言いますが。

一之助「ゴクッ。ゴクッ。『わっしょい。わっしょい、わっしょい』」

「良いお点前(てまえ)でございました」と自然に通訳する家康。一之助語を理解し始めてきたようです。

もしかしてデジャブ?


一之助「チッ。チッ。チッ。チッ。スゥー。グォー。スゥー。グォー」
どうやら、時間が経過して、睡眠中のようです。

一之助「タカラッタカラッタカラッタカラッ…キキキキーッ!『わっしょい!わっしょいわっしょいわっしょーい!』タカラッタカラッタカラッタカラッ…」

「あれ?さっき聞いたぞ?」といぶかしがる秀吉。「わし、答えていい?本能寺の変」



一之助「のっしょい!」

さっきと同じハズなのに、違うとはどういうことでしょう。

一之助「タカラッタカラッ…。キリキリキリ…スパンッ!スパンスパンスパーン!ブオォォォ…。ブオォォォ…。パチパチパチ。メラメラメラ。『わっしょい!わっしょいわっしょいわっしょい、わっしょい!』『わっ…しょい…』メラメラメラ…パチパチパチ…ゴオォォォ…」

やはりさっきとほぼ同じです。謎が深まるばかり。

一之助「『わっしょい!わっっしょいわっしょいわっしょいわっしょい!わっしょい!』『…わっしょい!?』」

ここで家康がひらめきます。「中国大返し!」



一之助「わっしょぉぉぉぉい!(大正解)」

解説です。
本能寺で茶会を開いていた信長。その翌日の早朝、就寝中に襲われ果てます。
その知らせを聞いてうろたえる秀吉。ここまでが擬音で表現されたところですね。
その後は交戦していた毛利家と和平を結び、岡山から京都まで大急ぎで戻ります。これが世にいう“中国大返し”。

前フリで本能寺の変が使われていますから、完全な引っかけ問題なのでした。

いつかは日本三大奇祭に


最後に、えまき~からのお題を擬音変換していきます。

お題1「関ヶ原の戦いで、小早川秀秋が西軍を裏切って山を降りてくる音と、それを喜ぶ家康様」

一之助「『どぅあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!』『はーはっはっはっは!』」

当事者の家康が感想を語ります。
「再現度は非常に高くて良いと思うが、“はっはっはっは”と申すのは擬音ではなくて笑い声ではないのか?」
もっともなツッコミです。

お題2「織田信長様が岐阜城に入城した時の音」

一之助「ツゥーーーーー、ツッ!」

全くわけがわかりません。
一之助いわく「ここから未来を切り開いて、駆け上がっていくぞという、信長様の頭の中の音」だそう。

家康からのムチャブリ「鶴を捕まえようとして手からすり抜けた音」

一之助「シィー、チョウッ!」

しーん。
ぎおん祭りならぬ、無音祭りです。
「ツルッ」と言ってくれればうまくオチがついたのにと、残念がる家康。

擬音に疑問符が付く“ぎもん祭り”となりましたが、どんなに変な祭りでも歴史を重ねれば伝統文化となります。これに懲りず頑張ってほしいものですね。
(岡戸孝宏)
名古屋おもてなし武将隊® 戦国音絵巻
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2017年09月04日21時42分~抜粋

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